北朝鮮外務省のスポークスマンは5日、武装勢力「イスラム国」(IS)によるテロ、およびシリアにおける対テロ戦が激化する中東情勢について、「シリアを巡る情勢悪化の全責任は米国にある」と述べた。国営朝鮮中央通信の質問に答える形で発表した。

スポークスマンは、エジプト・フランス・マリで発生したテロ事件に言及し、「テロと対テロの悪循環によって全世界がテロ恐怖症にかられている」と指摘。また、トルコ空軍機によるロシア機撃墜事件が起きたことで「諸国間に相互非難戦と武力増強が激化するなど、事態は日を追って深刻になっている」との見解を示した。

その上で、「事実上、『イスラム国(IS)』をつくり上げ、中東地域を彼らが意のままにのさばるテロの乱舞場になるようにつくったのは、ほかならぬ米国である」と主張している。

問題の責任が米国にあるとする理由について詳細は述べられていないが、北朝鮮の金正恩第1書記はシリアのアサド大統領と頻繁に応援のメッセージを交換し合う関係にあり、米国によるシリア反体制派支援がテロを増長していると見ているようだ。

朝鮮中央通信の記事全文は次の通り。

【平壌12月5日発朝鮮中央通信】共和国外務省のスポークスマンは、中東地域で対テロ戦を巡って複雑な事態が生じていることで5日、朝鮮中央通信社記者の質問に次のように答えた。

シリアで対テロ戦が熾(し)烈に繰り広げられており、エジプトでのロシア旅客機爆破事件とフランスでの同時多発テロ事件、マリでのホテル人質事件が連発するなど、テロと対テロの悪循環によって全世界がテロ恐怖症にかられている。

このような中で、合法的な主権国家であるシリア政府の要求に応じて対テロ戦に参加していたロシア爆撃機がトルコ空軍によって撃墜され、そのため諸国間に相互非難戦と武力増強が激化するなど、事態は日を追って深刻になっている。

 今回のロシア爆撃機撃墜事件もやはり、せっかく形成されている国際的な対テロ協力の雰囲気を壊し、自国の中東支配戦略を実現してみようとする米国の狡猾(こうかつ)で陰険な下心の所産である。

民族間、宗教間の不信と対決を鼓吹し、そこから漁夫の利を得るのは米国の常套的な手口であり、シリアを巡る情勢悪化の全責任は米国にある。

あらゆる形態のテロに反対するわれわれの原則的な立場は、終始一貫している。

われわれは、テロを不純な政治目的の実現に利用しようとする試みを断固と排撃する。---

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