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これまで空席だった北朝鮮人権特使に、アメリカ下院外交委員会のロバート・キング前局長が内定したと、ラジオ・フリー・アジア(RFA)が1日に報じた。

RFAは30日、ワシントンの複数の外交消息筋の言葉を引用し、「ロバート・キング氏は1983年から、トム・ラントス前下院外交委員長が昨年2月に亡くなるまで、25年間ラントス委員長の秘書室長を務めた。最近まで下院外交委員会の局長だったキング氏の特使内定を、近く公式に発表する準備をしている」と伝えた。

また、「キング氏と長い間一緒に活動していた故ラントス委員長は北朝鮮を2回も訪れるほど、北朝鮮問題に大きな関心を寄せていた。特に04年には、北朝鮮人権法を発議した」と話した。これにより、アメリカのオバマ政権の対北人権政策が本格的に推進されると思われる。

同放送は今回の特使の内定で北朝鮮人権問題が注目を浴びて、北朝鮮の人権問題に関するアメリカと北朝鮮2国間の直接接触や交渉、今後の北朝鮮の核に関する交渉に影響を与えると予想した。

「アメリカ北朝鮮人権委員会」のチャック・ダウンズ事務総長はこの放送とのインタビューで、「キング前局長が特使に内定したということを1週間前に知った。ポーランドやハンガリー、チェコなど東ヨーロッパの共産主義が、民主主義の政治と資本主義の経済に移行する過渡期を近くで見守ってきたキング氏が特使に内定したのは、現在の状況に踏まえると非常に適切な選択だ」と期待を示した。

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また、ワシントンにある民間研究機関であるブルッキングス研究所のロベルタ・コーエン先任研究員もこの放送との電話インタビューで、「今回の新任特使は、民間の諮問会社の弁護士として働きながら、臨時職として活動していたレフコウィッツ前特使と違い、大使レベルの常勤職だ。そのため、オバマ政権の対北人権政策も実質的な役割を果たせるだろう」と予想した。

さらに、「特に、国務省と議会が声をそろえて北朝鮮人権特使が重要だと言っている。これで北朝鮮人権特使が対北政策を行う際に、国務省や議会と円滑なコミュニケーションがとれる環境が整った」と話した。

同放送はキング氏について、「議会に入る前はアメリカの国際放送である『自由ヨーロッパ放送(Radio Free Europe)』の本部がある、ドイツのミュンヘンで約7年間働いた。カーター政権のブレジンスキー安保補佐官の下では、旧ソ連や東ヨーロッパの問題を担当するホワイトハウスの研究員として働くなど、政府や議会、非政府団体で人権関連の様々な経験を積んできた人物」と紹介した。

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また、「キング氏は博士の学位も持っている。『ルーマニアの共産党の歴史』、『共産主義での少数民族』、『東ヨーロッパの不安な未来:自由ヨーロッパ放送の報道を基に』など、これまで東ヨーロッパの共産主義について3冊の本を出版している」と報じた。

「北朝鮮人権法」に基づいて新設された北朝鮮人権特使は、05年8月19日にブッシュ前大統領が任命したレフコウィッツ特使が、1月20日にオバマ政権の発足と同時に辞任した後、5ヶ月間空席だった。そのため、特使の空白がさらに長引くのではないかと懸念する声も上がっていた。