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北朝鮮ではかつて、時の最高指導者が「ファッションリーダー」的な存在でもあった。しかし金正恩氏の代になってから、その評判はダダ下がりのようだ。

北朝鮮内部の人々が語る現地の最新ファッション事情を、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

それによると、かつて金正日氏のファッションは北朝鮮の人々の注目の的だった。なぜなら、将軍様の服装は「世界的なファッションを反映した最高のもの」という間違った情報が流れていたためだ。

金正日氏が着ていた夏用の半袖シャツや冬用のジャンパーは、かなり値が張るものだったが、人気だった。アパレル業者も彼がどんな服を来て現れるかに注目し、「おニュー」を見つけ次第、すぐに制作に入り、市場に並べたという。

そこには北朝鮮の人々の気質も影響していた。

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北朝鮮の人は見栄っ張りで、少し食費を削ってもオシャレに投資する。それは、服装で相手を判断する風潮があることも一因となっている。保衛員(秘密警察)も、きちんとした身なりの人を幹部と見なす傾向があるため、服に投資することは北朝鮮で生き抜くための「生活の知恵」でもある。

ところが、金正恩氏はその辺を見誤っていたようだ。 金正恩氏は白いコート、ゆったりしたズボン、腹が出て見える袖の短いシャツを着るなど、上述の事情から「ビシッ」と決めるのを好む北朝鮮男性のトレンドと真逆を行っており、「ダサい」とのイメージがすっかり固まってしまったのだ。

売れると見込んで「元帥様(正恩氏)の服」を作った服屋は、あまりの売れ行き不振に頭を抱えているという。さらに金正恩氏は「俺のヘア・スタイルやファッションを真似するな」という指示を下し、ファッションでも忠誠心を低下させる結果を自ら招いてしまった。

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そもそも、あの強烈な髪型と極太ズボンを好んで真似る若者がどれだけいるのか疑問だが、彼が「若者のために」と思ってデザインさせた学校制服もまた、情け容赦ない酷評を受けている。

デイリーNKは北朝鮮における「イマドキ10代おしゃれ事情」を知るため、昨年10月に脱北したリ・チョルフン君(仮名)にインタビューした。彼の金正恩デザインに対する評価は、「あんなダサい制服を着たら人間の価値が下がります」と、何とも無慈悲なものであった。

ちなみに、北朝鮮のファッション・シーンで「イケてる男」の代名詞となっているのは、どうやらロシアのプーチン大統領であるようだ。

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北朝鮮のある情報筋は「金正恩氏のファッションは植民地時代のものかというほど古臭い」「爺さん(金日成氏)のマネをしているが、ファッションまで真似しなてもいいのに」と酷評している。

韓流ドラマを通じて韓国のファッションが知れ渡り、海外からオシャレな古着が入ってくるなど、北朝鮮のトレンドは世界に近づきつつあることを、金正恩氏は理解していないのかもしれない。