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北朝鮮には「権力層に仕える女性」を選抜、管理する謎のセクションがある。

その名も「5課」。正式名称は、朝鮮労働党組織指導部「護衛総局」といい、最高指導者、つまり金正恩第1書記の警護を担当する部署だ。その役割は、金正恩氏のトイレの管理にまで及ぶ。

5課は、全国から北朝鮮指導層、いわば最高権力層の身辺の世話をする女性たちや、警護をする男性を選抜し、管理する。そのことから選抜された人員は「5課対象」や「5課処女(注)」と言われる。

(注)韓国語(朝鮮語)で「処女」とは、未婚女性や若い女性の総称である。乙女といったニュアンスに近い。

代表的な5課処女といえば、「喜び組」だ。まさに北朝鮮最高権力の私生活、すなわち暴露されてはならないスキャンダルが詰まっているセクションだ。

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もっとも、こうした秘密情報も北朝鮮から逃れ出た脱北者によって赤裸々に暴かれている。既に丸裸にされた「喜び組」ですらも、そのなかには、さらに最高指導層の「夜の生活」に携わる集団があることも暴露されている。

こうした制度を確立させたのは故金正日総書記だ。金総書記は地方を現地指導した際に、美貌の女性に対してセクハラまがいの行為と甘い言葉で、5課の話をもちかけたことがある。彼にとっても5課処女は、特別な意味を持っていたようだ。

5課処女には、早ければ16、17才で選ばれる。一方で5課には、子どもがいる離婚した女性や、特殊任務で死亡した国家機関員の未亡人など、経済的に余裕がない女性たちまで選抜していると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。

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5課対象に選ばれた女性たちに対しては、政治的な身辺調査だけでなく、過去の男性経験をも含めた身体検査まで行われる。そして、このような審査に合格すると、高級幹部の身辺の世話をする召し使いのような仕事や、表舞台から退いた高齢の高級幹部に仕えるヘルパーなどの仕事に従事するという。

また、高級幹部に仕える本人には、最高級待遇が用意されており、その子どもも、名門学院でエリート教育を受けることが出来るようになる。5課対象に選ばれることは、すなわち、金一族を支える「特別な」集団への仲間入りなのだ。北朝鮮独特の統治方法といえよう。

ところで、審査過程で不合格となった女性はどうなるのか。様々な機関の職員として採用され、党幹部たちの愛人として囲われるケースも多い。極めて微妙な立場だけに、幹部の不倫相手になることもあるようだ。

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つまり、5課対象とは、北朝鮮最高権力層の知られてはならない情報を「知りすぎた女性たち」だ。そして、知りすぎているだけに、彼女たちは家族との連絡も断たれ、一生涯を国家に捧げなければならない。常に監視され、一説では「収容所に片足を突っ込んだ」と言われるくらいだ。

ありとあらゆる人権侵害で、世界に名だたる北朝鮮だが、国家ぐるみで行われている女性への人権侵害の実態は、追及してもし過ぎることはないだろう。