来年5月、北朝鮮では「朝鮮労働党第7回大会」が開かれる予定だ。大会では、改革開放政策を部分的に取り入れるのではないかと予想され、住民たちもわずかながらの期待感を持っている。

その一方で、個人商工業者に対する大々的な取り締まりが始まったと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。同ラジオの慈江道(チャガンド)の内部情報筋は語る。

「中央から派遣された『中央党検閲隊』が、11月初めから個人商工業者に対する集中的な取り締まりを開始した。このせいで多くの業者が店のシャッターを閉じて姿をくらましている」

取り締まりに相反する反応

基本的に、取り締まりにひっかかれば、所有していた設備はすべて没収される。ただし、こうした酌定規な中央のやり方に抵抗する地方幹部もいる。

「地方幹部は、事前に『中央から取り締まりがやって来る』こっそり耳打ちしてくれる。そのおかげで、ほとんどの業者が被害を免れることができた」(RFAの情報筋)

こうしたなか、取り締まりに引っかかり大慌てになる業者もいる。「金正日政権時代にも取り締まりの対象にならなかった。今回も大丈夫だろう」と安心しきっていたオートバイ修理業者だ。

両江道(リャンガンド)の内部情報筋は「登録されていない個人所有の車やオートバイが今回の取り締まりの対象だ。見つかり次第すべて没収されている」と語った。

ただし、「機関や企業所の名義で登録されており、毎月利益を上納している車両は、取り締まりの対象外だ」という。そうしたこともあり、今回の中央の取り締まりをめぐっては、住民の間から相反する声が上がっている。

一方からは、「商売を取り締まるなんて、過去に戻ろうとしているのではないか」という非難する声が出ている。故金正日総書記は、経済の主導権を国に取り戻すため、住民主導の市場経済を潰そうとした。金正恩第1書記も、このやり方を踏襲するのではという心配の声だ。

これに反して「国に利益を上納した方が楽に商売できる」と中央のやり方に一定の理解を示す声だ。つまり、今回の取り締まりは「市場経済つぶし」ではなく「税金を収めない業者に対する取り締まりに過ぎない」という見方を示しているという。

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