国際社会から「世界最悪の人権蹂躙国家」という批判を浴び続けている北朝鮮。その批判を気にしてか、教化所(刑務所)内での暴力や拷問に一定の歯止めがかけられていると咸鏡北道のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

この情報筋は、「金正恩氏名義で人民保安部(警察)に『教化所などで死亡事故が発生した場合には、当該責任者を処罰する』との指示が下された。さらに、経済犯罪、単純な暴行、さらに麻薬で捕まった収監者に対しても拷問するなという具体的な指示が下された」と語った。

骨が折れてもほったらかし

さらに、指導員(看守)の間では「更生の可能性がある経済犯はできる限り殴るのはやめようという雰囲気になっている」と情報筋は伝える。これまでに、こうした指示は何度かあったという。

金正日政権時代にも「拷問をやり過ぎて死に至らしめてはならない」という指示があった。2004年、2005年に取り調べ、逮捕を法に則って厳格に執行すると刑事訴訟法を改定し、人権擁護のための法的措置を取った。しかし、実際に教化所の中では適用されなかった。

教化所内で暴行や拷問で収監者が死亡した場合、医師にワイロを渡して偽造診断書を作成し処罰を避けてきた。一例を挙げると「棒でそんなに強く叩いていないのに、収監者が急に発作を起こして死亡した」という形だ。

しかし、教化所内での死者は減らなかったため、今ではこのような手法は使えなくなっている。

政治犯へは容赦なし

一般犯罪を犯して逮捕、収監された犯罪者に対しては、少しでも待遇を改善しようと言う意思を見せている北朝鮮当局だが、政治犯に対しては従来通りひどい扱いが行われている。

韓流ドラマの視聴や非社会主義行為を行った政治犯に対しては、依然として暴力や拷問が横行している。拷問され臀部を骨折し腐っても放置され、瀕死状態になっても看守は気にも留めない劣悪な環境だという。

また、衛生状態も極度に悪い上に食料配給もわずかで、栄養失調にかかり病死するケースが多い。

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