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北朝鮮政府が今年1月から常設市場である「総合市場」を廃止して、「農民市場」に切り替える方針を下したが、住民たちが反発して内部で副作用が生じると予想され、農民市場の転換の時期を半年延期した。

こうした方針は、市場が北朝鮮政府の統制権から離れて拡散のスピードも速く、何よりも住民の意識が変化して住民の統制が難しくなったために下されたと分析される。これはまた、市場の拡大が続いて北朝鮮政府の統制力が弱まってきていることの傍証ともいえる。

デイリーNKは、このように一気に拡散している市場が北朝鮮で持つ意味や北朝鮮の住民に及ぼす影響、北朝鮮政府は市場を統制できるかという問題など、現在市場を中心に変化が速まっている北朝鮮内部の様子を集中的に分析して、4回にわたって連載します。

北、2003年に公式経済として「市場」を受容…その後拡大、強化を続けた市場

北朝鮮政府が2003年5月に<<偉大な指導者金正日同志が、農民市場を社会主義経済管理と人民生活に必要な市場として、よく運営するように方向転換することに対して与えてくださった方針を、徹底的に貫徹することについて>>という題の内閣の指示第24号を発表した。これは事実上、「総合市場」を設置するための措置といえる。

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指示文には現存する市場の規模を拡大して、新しい市場を建設することや、国営企業所と協同団体も市場で商品を販売できるようにすること、市場の限度価格と商品の価格を定めて徹底的に守ること、国営商業網を活発に運営することなどに関する内容が含まれていた。北朝鮮は総合市場の設置に関する内閣指示文の発浮ニ同時に、市場の管理規定を盛り込んだ内閣決定第27号も下した。

内閣指示第24号と内閣決定第27号は、北朝鮮政府が違法だった市場経済を部分的に体制に受け入れた制度的な措置といえる。1990年代の食糧難以後、北朝鮮は経済難のために物資が不足して、国営の流通体系が事実上崩壊した。そのため、ほとんどすべての領域で市場の取り引きが自生的に拡散した。

北朝鮮政府は仕方なく、市場を公式に経済の内部に受け入れて、一方では一定の統制力を回復させて、もう一方では市場の使用料や国家の納付金を徴収して、財政不足の解消を試みた。総合市場の設置を指示した内閣指示第24号には、市場を活用して国営の流通体系を回復させて国家の財政を補うなど、配給体制や国家の統制を修復しようとする意図があるといえる。

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2003年に体制内に受け入れられた市場は拡大し強化されて質も向上した。問題は、市場の持続的な拡大・強化が北朝鮮の住民の意識を変えて、北朝鮮の統治体系や制度を漸進的に侵食したということだった。

北朝鮮政府は市場に管理所を作って、一部の品目の値段を制限して、市場の使用料と国家への納付金を集めて不足した財政を補い、市場が北朝鮮社会にもたらす変化や体制への脅威は適当に統制したかったはずだ。だが、期待通りの成果は見られなかった。

国営商店が活性化することはなく、配給制を修復しただけ国家の管理経済が回復することもなかった。反対に、住民たちの意識の変化や統治体制の弛緩といった、市場の副作用は急速に拡大した。

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特に、農場や工場に出勤しないで、市場で品物を売買する人が急増して、正常に運営できない工場や企業所もかなり増えた。そのため北朝鮮政府は、住民たちを工場や企業所に復帰させて無分別な商売を制限するために、2005年から再び市場を統制し始めた。(続く)