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北朝鮮の金正恩氏は、これまで様々なトンデモ指示で人々を呆れさせてきた。「タメ口を使うな」「人口が減るから避妊するな」「中国で金稼ぎしろ、でも華僑や朝鮮族には会うな」など、とうてい熟考して出したとは思えない、子供じみた指示の数々である。

北朝鮮の人々は、「指示がどれぐらい厳しく執行されるか」を見極めるために、とりあえずは従うものの、厳しくないことがわかれば、そのうち誰も守らなくなる。そして、金正恩氏が「世間知らずのおぼっちゃま」であるとの印象だけが残り、自らの権威を貶める結果をもたらしてきた。

そんな金正恩氏だが、今度は突如「鉄道の踏切を大幅に減らせ」との指示を出した。これは踏切事故を受けてのものだが、住民たちは現実を無視したバカバカしい命令に唖然とし、当局を批判している。

その詳細を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。 事故が起きたのは今年6月のことだ。無煙炭を満載して中国の瀋陽から平壌に向かっていた大型トラックが、新義州(シニジュ)市内の踏切を渡っていたところに、国際列車が突っ込む事故が発生した。現場は事故直後に封鎖されたため、どれほどの被害が出たかは明らかになっていない。

この踏切には係員がおらず、何らかの理由で遮断機が下りていなかったことが事故につながったという。

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この事故の報告を聞いた金正恩氏は、6月中旬に鉄道省から各地方の鉄道管理局に「全国の鉄道監視哨所を点検し、全国の半分以上の踏切を廃止せよ」との指示を下した。

それに伴い、7月初めから「鉄道保守隊」が結成されて点検と踏切の廃止作業が始まった。この指示に住民たちは不満たらたらだ。踏切が廃止となると、物資を運搬する車両は遠回りを余儀なくされる。農業にも商業にも悪影響が出かねないと住民たちは心配している。また、線路を無断横断する人が増えて事故が増えるとの声も上がっている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、鉄道監視哨所職員の意欲低下を次のように指摘した。

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「踏切監視員は配給をもらえていたが、そんなものはとっくの昔になくなった。さらに電力難で列車もあまり来ない。そんな踏切を一日中監視しようと言う人がどこにいるのか」

「彼らは生きていくために、個人耕作地で農作業に励んだり、市場で商売に精を出している」

「日本の植民地時代に敷かれた枕木が未だに使われており、まともな補修工事は行われていない。今年に入り道内では脱線事故が7件も起きている」

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事故の原因は踏切の数ではなく、列車の運行を管理し切れない崩壊した鉄道行政にある。