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2002年日韓FIFAワールドカップで韓国代表をベスト4に導いた元韓国サッカー代表監督のフース・ヒディンク氏(68)が5日、北朝鮮の平壌へ向けて出発した。韓国では国民的英雄として愛され、姓をもじって「喜東丘(ヒ・ドング)」とも呼ばれたヒディンク氏の訪朝だけに韓国では大きく報じられた。

自身が理事長を務めるフース・ヒディンク財団が、平壌に視覚障害者のためのフットサル場「ドリームフィールド」を建設する計画のためにヒディンク氏は訪朝するが、これに先立ち「北朝鮮サッカーの発展のために私が持っている知識と経験を共有するつもりだ」と、北朝鮮サッカー発展のために手助けしたいと同紙は語った。

世界的な名将と名高いヒディンク氏は、北朝鮮サッカーをどのように見るのだろうか。

今でこそ、アジアの中堅クラスの座に甘んじている北朝鮮サッカーだが、1966年W杯イングランド大会では、圧倒的な下馬評を覆し、アジア勢としてはじめてベスト8に輝くなど、「奇蹟のイレブン」としてサッカー史に記録されている。

予選リーグで強豪イタリアを撃破した北朝鮮イレブンは、試合会場だったミドルズブラ市民を魅了。北朝鮮を応援するため市民たち3000人がリバプールまで駆けつけた。また英国の行く先々で北朝鮮イレブンは熱狂的に歓迎された。

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先日、ニュージーランドの大会連覇で幕を閉じたラグビーのワールドカップ(W杯)イングランド大会の予選リーグで、ジャパンは大会3位の強豪南アフリカを撃破したが、予選会場だったブライトンの市民はジャパンの勝利に熱狂した。フットボール発祥の地だけあって、素晴らしいチームには賞賛を惜しまないというフェアな精神が根付いているようだ。

余談だが、この勝利によって過去の通算成績で南アフリカに勝ち越している国は王者ニュージーランドと初対戦で1勝0敗としたジャパンだけという奇妙な記録が達成された。

英国のみならず、北朝鮮のベスト8は日本でも衝撃をもって受け入れられた。朝鮮総連が発刊していた北朝鮮グラフ誌「朝鮮画報」(現在は廃刊)は、大々的に特集を組んだが、そこでは石原慎太郎氏も「朝鮮(北朝鮮)は立派だ」と絶賛している。

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その後、北朝鮮サッカーは八百長や不正腐敗で衰退していき低迷が続くが、サッカーに限らず、スポーツ界の現場では選手とコーチらが血の滲む努力を続けている。そして、女子サッカーやユースレベルでは、着実に成果を出しつつある。

ヒディンク氏の経歴を見たところ、1966年イングランド大会の時期に、プロサッカー選手としてのキャリアが始まったようだ。もしかすると、北朝鮮サッカーはヒディンク氏にも鮮烈な印象を残したのかもしれない。そのヒディンク氏が北朝鮮サッカーに何を伝えるのかは実に興味深い。

筆者はサッカーに関しては素人だが、ヒディンク氏は対戦チームに劣っていても、戦力を極限以上に高めて強いチームを撃破する術に長けた監督という印象がある。

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極めて可能性は少ないと思うが、もしヒディンク氏が南(韓国)に引き続き、北朝鮮を率いる。そして、またもや国際大会で旋風を巻き起こしたら…それはそれで是非見てみたいものだ。