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北朝鮮当局は、今年10月10日の朝鮮労働党創立70周年を記念するために、金ファミリーの銅像や壁画など、様々なプロパガンダ施設の建設を進めるため巨額の予算を投じたが、それでも労働力や資材は不足した。

当局は住民を建設に動員しその費用も徴収したが建設は順調に進まず、ついに備蓄していた「戦時予備物資」のセメントと鉄筋600トンを使い果たし、軍事施設の補修に支障が出ていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

戦時予備物資は、戦争で施設が破壊された際に使うための建築資材だ。両江道(リャンガンド)の情報筋によると、戦時予備物資は道ごとに「50号」と呼ばれる倉庫に保管されている。また、人民軍の軍団、機械化師団にもセメントや鉄筋が備蓄されている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、金正恩第1書記が予備物資の使用を指示したことによって、勝岩(スンアム)、鏡城(キョンソン)、明澗(ミョンガン)、漁郞川(オランチョン)の各飛行場に備蓄されていた物資は、今年5月に清津(チョンジン)市で建築事業や羅先(ラソン)市の洪水被害復旧に使われてしまったという。

深刻な建築資材不足で様々な工事に遅れが生じていたが、外貨不足で中国からの輸入で賄うこともできず、予備物資の使用を判断したようだ。このおかげでプロパガンダ施設の建設事業は記念日前に終えたが、新たに深刻な弊害が発生している。

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明澗飛行場にはアントノフ2系列の31型爆撃機が配備されているが、滑走路がガタガタで離着陸ができない状態だ。しかし、資材が底をついたため補修工事ができない。こうした状況に軍関係者からも不満の声が出ていると情報筋は語る

「党創立70周年の実績作りを優先して、予備物資を使えと指示した元帥(金正恩氏)に対して軍関係者も否定的な反応を示している。『武力統一だの何だのと言っているが、全部ホラなんじゃないか』という声も聞こえる」(咸鏡北道の情報筋)