北朝鮮の労働党の機関紙労働新聞が、11日に開城工団で行われた南北当局者間の実務会談で、開城工業地区事業の再検討について交渉したのは、6・15南北共同宣言を全面的に否定したことが理由だと主張した。
労働新聞は12日の記事で、「双方の武力が鋭く対峙しており、戦略的な要衝地である軍事分界沿線の開城工業地区を丸ごと渡して、土地の地代や労賃、税金を和らげて(安くして)あげるなど、様々な有利な企業経営の条件を保障したのは、『我が民族どうし』の理念に基づいたこと」と強調した。
更に、「開城工業地区の近くで、我々に反対する『キーリゾルブ』のような合同軍事演習が行われ、我々に対する宣戦布告を意味する『大量殺傷武器拡散防止国z』の全面的な参加が強行された」と批判した。
また、「南北宣言が全面的に否定されて、対決と戦争騷動が限界点を超えている条件で、我々がやむなく開城工業地区事業と関連して南側に与えた特恵措置を全面的に再検討しなければならなくなったのは、しごく当然のことといえる」と主張した。
新聞は「開城工業地区の現在の運営実態を見ても、この事業に対する特恵措置を再検討する時がきた」と述べ、「今、開城工業地区に南側の企業が沢山入って来ており、大きな利益を得ている一方、我々は土地代や我々の勤労者の労賃、工業地区の税金などをふさわしい水準で支払ってもらうことができていないのは、経済協力の普遍的な原理に照らして見ても、不公平で不当なこと」と主張した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面一方、11日に行われた南北接触で、北朝鮮は平均75ドルである1人当り勤労者の月給を300ドルに上げて、土地の賃貸料を総額5億ドルに上げてほしいと要求した。
労働新聞の主張どおりならば、李明博政府が6・15共同宣言を全面的に否定したため、北側が賃金と賃貸料の引き上げを要求したことになるが、李明博政府は6・15宣言を全面的に否定すると発言したことがない。
李明博大統領は就任後、去年9月の民主平和統一地域会議の開会の辞と、今年の3.1節の記念の辞などで、過去の政権の南北間合意を尊重して、対話を通じて合意事項の履行の方案を討論して見ようと、繰り返し北側に提案してきた。したがってこうした北朝鮮の態度は、困窮した北朝鮮が、現金を手にするためにした言い訳という指摘が出ている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面このように北側が、開城工団に入居した韓国企業が大きな利益を上げていると主張しているが、開城工団企業協会のイ・イムドン局長は、「大多数の企業が、赤字が続いて手におえなくなり、不渡りの危機に直面している」と話している。