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先軍政治という何事においても軍事が優先されるスローガンを掲げる北朝鮮だが、軍部は慢性的な食料不足に苦しんでおり、その内実はお粗末極まりない。金正恩氏も朝鮮人民軍の立て直しに躍起になっているようだ。

金正恩氏は今年初め、「軍の歩兵が携行する戦闘装具類(バックパック)の軽量化を推進せよ」という指示を出した。食糧不足と栄養失調によって体力が弱まった兵士たちが、重装備ではまともな移動すら出来ないからだ。

つい最近では、水揚げされた海産物の「輸出禁止令」を下しながら、朝鮮人民軍の関連機関や、近隣の軍部隊に大判振る舞いしたという。外貨不足の北朝鮮にとって海産物ビジネスは貴重な収入源だ。それを国内にまわす理由は、金正恩氏が軍部の食料問題を深刻視しているからという見方がある。

ただし、軍部の食料問題を解決しようという金正恩氏の方針は、現場へ行けば行くほど様々な弊害を生み出している。