北朝鮮の金正恩第1書記は、国内情報が外部へ漏れることを警戒しながら流出防止策を強化している。例えば、中国人貿易業者にビザの発給を制限するなどの対策を取っているが、これが中朝貿易の停滞を呼び起こし、ビジネス上で様々な悪影響が出ている。

中国瀋陽の朝鮮族街「西塔」
中国瀋陽の朝鮮族街「西塔」

さらに北朝鮮当局は中国に駐在する北朝鮮の貿易関係者に「中国朝鮮族や華僑に接触するな」という命令を下したと米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

ビジネスの邪魔をする北朝鮮当局

中朝国境地帯の対北朝鮮情報筋は「北朝鮮当局は最近、大使館や領事館を通じて自国の貿易関係者に『朝鮮族や華僑に文書翻訳を依頼するな』『できる限り接触するな』との指示を下した」と伝えた。

北朝鮮ビジネスマンだけでなく、日常的に韓国人と交流している朝鮮族や華僑から内部情報が流出していると判断したようだ。しかし、大使館関係者の間で、この指示は呆れた様子で受け止められてる。

中朝ビジネスでは、朝鮮族や華僑が大きな役割を果たし貢献している。現実的に、彼らの助けなしにはビジネスは成り立たない。だからといって上部からの指示、とりわけ金正恩氏の指示には表立って逆らえないことから中朝ビジネスの現場はジレンマに陥っている。

北朝鮮の貿易関係者との交流を続けている朝鮮族のビジネスマンは、次のように語った。

「北朝鮮のビジネスマンも非常に苦しい立場にあることは理解できる。なるべく北朝鮮保衛部(秘密警察)の目を避けて、人目につかないところで会うようにしているが、こんな馬鹿げた指示はどうせ守られない。指示を伝達せざるを得ない大使館関係者も、従うふりをせざるを得ない貿易関係者も、両方に同情する」

彼は、北朝鮮ビジネスマンの身の安全を考慮して具体的にどのような場所で会っているかは明らかにしていない。しかし、人口が600万を優に超える瀋陽には、保衛部の目を避けられるところなどいくらでもあるのだ。

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