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北朝鮮産マツタケの不正輸入事件で、外為法違反(無承認輸入)と関税法違反(虚偽申告)の罪に問われた在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の許宗萬(ホ・ジョンマン)議長の次男ら2人の被告の論告求刑公判が27日、京都地裁で開かれた。検察側の求刑は、両被告に対し懲役2年。判決は12月10日に言い渡されるという。

朝鮮総連は今年、追い出されそうになった本部ビルの実質的な買い戻しに成功(1~3月)したり、マツタケ事件で摘発(3月・5月)されたり、結成60周年を迎えたり(5月)、韓国のスパイ事件がらみで朝鮮大学校教員宅が捜索を受けたり(6月)、北海道本部が詐欺容疑で捜索(9月)されたり、まさに激動の1年だった。

マツタケ事件での判決言い渡しは、その最後を締めくくるものになるだろう。

一連の経緯を眺めつつ思うのは、朝鮮総連も日本社会でのパワーをすっかり失ってしまったということだ。

かつて、朝鮮総連は日本政界に左派・右派を問わず人脈を張り巡らせており、おいそれと強制捜査などできる組織ではなかった。

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しかし、今ではまったく逆になっている。北朝鮮に対して有効な圧力手段を見いだせない保守政権が、他にやることがないので仕方なしにちょっかいを出す相手になり下がってしまったのだ。

公安関係者の中には、「北に圧力をかけるために総連を締め上げるというのはつまり、『サザエさん』の磯野さん家を困らせるために三河屋のサブちゃんをしょっ引くようなものだ」と語る向きさえある。

ちなみに、故金正日総書記は朝鮮総連がこうした状況に陥るのを見越していたようだ。生前、彼は朝鮮総連に「偽装転向」を命じていたのである。しかし、「祖国と距離を置き右傾化せよ」というその指令を、教条主義で凝り固まった朝鮮総連の上層部は実行に移すことができなかったようだ。

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そして最近では、朝鮮語で「セセデ」と呼ばれる若手の活動家が公安当局によりことごとく籠絡されており、その巧妙なスパイ獲得工作に、総連上層部は震撼しているという。そんな有様では、組織防衛力のいっそうの低下は避けられまい。

もっとも、そのひとつひとつは一般の日本国民には関係のないことではある。大事なのは、拉致問題で手詰まり感の出てきた安倍政権が、朝鮮総連にちょっかいを出すだけでお茶を濁そうとするのを許さないことだ。