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今月15日に、平壌の5.1競技場でマスゲーム、‘アリラン公演’の幕が上がった。韓国では団体の参加者を募集しなかったが、海外のメディアと外国人が公演を見るために平壌を訪れた。イギリスのBBCの記者は公演を見た後、“白い服を着た1千人以上の女性が北朝鮮の完璧な地図を作り出した”と述べ、”物すごい公演”と評価した。

正しい言葉だ。アリラン公演は北朝鮮だけで見られる非常に珍しく、物すごい公演だ。公演の規模と精巧さは、私たちが想像し難いほどだ。公演場面が一つ一つ変わるたびに、数千人が出て歌と踊り、集団律動を一つの動作で演出する。数万人が参加する背景台のカードセクションは、最先端の電光板をしのぐ絵を描く。ただ参加者たちの身振りだけによって行われるのだ。

中にはこうした公演が北朝鮮の特殊な体制で成り立つ律動であるが、かつて韓国で中学生や高校生が大きな行事を控えて練習したマスゲームと似ていると言う人もいる。なぜそのような発言が出るのだろうか。

アリラン公演は韓国のマスゲームとは訓練の激しさと期間を考えても比較にならない。数叙?フ色紙を指揮者の口頭の指示で変える子供の緊張した幼い目と機械のような手の動き、公演に子供を参加させる両親の証言を聞いたら、決してこのように言うことはできないだろう。

アリラン公演は練習期間だけでも半年ある。精巧な動作は1年かかる。実際の公演は2ヶ月から4ヶ月程度だ。1年近く学業と生活を放棄して取り組まなければならない。公演の参加者は、軍隊の組職をまねて中隊、大隊、連隊などに属する。当然、毎週生活総和が行われて、毎月政治講演会も開かれる。この場で公演に不真面目な人には、容赦なく鋭い批判が加えられる。

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日差しが照り付ける炎天下や吹雪の中でも練習は中止されない。公演には幼稚園生もおり、歌に合わせて数千人が一つの動作をして、サーカスのような繩跳び妙技も見せてくれる。また、幼稚園生全員が体操選手のように、逆立ちをする。そして大きな声を上げながら団結して、“将軍様と共に行けば千里の道も全勝の道”と歌う。こうした動作を完成するために、幼い子供たちは数千回、数万回、同じ動作を繰り返し練習しなければならない。

幼稚園生も軍隊の査閲式に登場するかのような足並みを見せてくれる。ツマ先を真っ直ぐに伸ばして、両足を地上から60cmまで上げて交差させるのだ。この‘交差蹴り’は、一歩進む時に地面を勢いよく蹴りながら、その反動で片方の足を持ち上げる歩き方だが、全身の力をこめて勢いよくコンクリートを一日中蹴ると、内臓がねじれるようだと経験者は語る。

アリラン公演は北朝鮮政府が外貨稼ぎと体制宣伝のために、住民を苛酷に訓練させて見せる、現代版奴隷公演だ。住民は公演の参加を拒否する権利もなく、公演が終わった後、十分な対価も与えられない。2005年の参加者にはミシンが1台ずつ、’将軍様の贈り物’として与えられた。

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北朝鮮の公演関係者はアリラン公演を見に来た外国人に、“この行事はあなた方の国をはるかに越えるものであり、私たち国民を結集させる意志の一部になった”と説明した。どうしてこのような公演が北朝鮮でのみ可能なのだろうか。数万人の住民を動員して練習させ、機械のように精巧に作った後、公演に出すことができる国は、金正日独裁政権下の北朝鮮だけだからだ。

北朝鮮は国連の子供の権利条約の加盟国だ。この条約はすべての児童は暴力と虐待から保護されなければならないと規定している。また、すべての児童は経済的に搾取されてはならず、健康と発達を脅かして教育に支障をきたす有害な労働から保護されることを明示している。韓国も’子供憲章’で健康な身体、正しい教育、不当労働の拒否などの権利が規定されている。

北朝鮮のアリラン公演は、国連の子供の権利条約の明白な違反だ。国連の児童権利委員会は、アリラン公演が内包する児童の人権の侵害という要素をすべて調査しなければならない。同時に、子供を持つ親は、首領の偉大性をほめたたえるためだけの集団奴隷劇に向かって拍手をして歓呼することは慎むべきだろう。