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今年の北朝鮮の農産物の作況は概ね良好だと見られているが、依然として北朝鮮軍(朝鮮人民軍)兵士が各地の協同農場、個人耕作地を襲撃する事件が多発していると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

兵士達の狙いは「大豆」。味噌作りに欠かせない大豆が、今年は不作だったことが背景にある。

北朝鮮当局は、兵士の食生活改善のため各軍部隊に大豆栽培のノルマを課している。2000年代初め頃までのノルマは兵士1人あたり10キロだったが、2006年からは30キロに上げられ、金正恩政権が始まった2012年からは70キロに増やされた。

わずか10年でノルマが7倍に増やされたが、ある程度の畑を保有する軍部隊にとっては決して達成できないノルマではない。

慈江道(チャガンド)の内部情報筋によると、国境警備隊の中隊に割り当てられた畑は3ヘクタール。この中隊では1ヘクタールに野菜を植えて、2ヘクタールに大豆を植えているが、6トンから10トンの収穫が見込める。

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1中隊は通常67人編成。不作であっても1人あたりの収穫量は約90キロになるため、ノルマ達成は特に難しいものではない。ところが、今年は全国的に豆の実りが極端に悪く、生産量が大幅に減少。保有する畑が少ない部隊は困り果てている。

両江道(リャンガンド)の情報筋によると、恵山(ヘサン)の10軍団警備中隊に与えられた畑はわずか1ヘクタール。そこに大豆を植えたのだが、通常の不作時の3トンより更に少ない1.6トンしか収穫できなかった。

ノルマが達成できなかったとなると指揮官は処罰されかねない。指揮官が部下の兵士をけしかけて、夜な夜な協同農場や個人耕作地を襲撃させて大豆を略奪しているのだ。

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農場では警戒を強めているが、武器を持った盗賊団と化した兵士相手では分が悪く、軍部隊近辺の農場や個人耕作地では甚大な被害が発生している。

収穫期の兵士による襲撃は以前より相次いでいる。当局も特に対策を取らないため、一般住民の間では軍に対する反発がますます強まっている。