北朝鮮の全土に広がる自由市場「チャンマダン」。韓国の国家情報院によると、北朝鮮住民はチャンマダンが広がる現状について「わが国には党(朝鮮語でダン)がふたつある」というジョークを語っているという。
一つ目の「ダン(党)」とは、北朝鮮の執権政党で国家を支配する朝鮮労働党(チョソンロドン“ダン”)。そして、もう一つが冒頭に述べた「市場(ジャンマ“ダン“)」。二つの言葉の末尾のダンを引っかけながら、政治を支配する「ダン(労働党)」と経済を支配する「ダン(自由市場)」という意味合いを込めたジョークだが、これが極めて的を射たジョークであることを衛星写真が証明する。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、米国ジョンズ・ホプキンス大学韓米研究所のカーティス・メルビン研究員と共同で北朝鮮の衛星写真を分析。その結果、北朝鮮当局の許可を受けて合法的に運営されている「総合市場」が406個に達すると24日に報じた。
カーティス・メルビン研究員はRFAに「総合市場で北朝鮮住民が出すテナント料は、地方政府の収入源だ。現在の総合市場の数は406個だが、裏通りや路上の違法な市場を含めるとまで合わせれば、その数ははるかに多くなる」と語った。
メルビン研究員は、合法的な総合市場「シジャン」と、路地や街角など不正な場所での商活動を「チャンマダン」と意味するというが、北朝鮮住民はモノを買う場所を「自由市場(チャンマダン)」と呼ぶ。ヤミ市場と訳される場合があるが、彼らは合法、違法の区別をしているわけではない。
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