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北朝鮮の最新流行ファッションはなんだろうか。答えは「古着」。それも生地が上等でデザインや色も洗練された韓国製や日本製の古着だ。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋は次のように語る。

「幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)の間では古着を買うことが当たり前になっている。新しい服を買うのは普通の庶民だ。さらに、北朝鮮製の古着を買うのは貧しい人々だ」

北朝鮮当局は「体面上よくない」との理由で古着の輸入を禁止している。しかし、コンディションのいい韓国製や日本製の古着は新しい服と言っても税関で怪しまれない。もし問題が起きてもワイロを掴ませれば持ち込める。

また、古着の輸入を主導しているのは華僑やプライベートの旅行者に加え、国家機関でもある外貨稼ぎ会社。お上が決めた方針をお上が破っている形だ。

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北朝鮮で古着に人気が集まるのは、商人たちの事情もある。 例えば中国製の新品の服は、中国での卸値に流通費が加算されるためあまり安くならない。一方、古着には決められた値段がないため、中国で安く買い取って北朝鮮で自由に値段設定ができる、つまり儲かるわけだ。北朝鮮では、流行の服も高級な服も種類が多くないため、強気の値段設定でも飛ぶように売れるという。

こうしたなか、日韓の古着が「富の象徴」になり、さらに「ボロ布」から「高級服」と認識が変わった。逆に北朝鮮製の新しい服は「安物」と呼ばれる。

例えるなら日本のヴィンテージブームのようなものだ。米国で二束三文で売られていた古着のデニムやシャツなどが、日本に輸入され「ヴィンテージ」「ユーズド」として信じられないような価格がつけられることがしばしばある。北朝鮮でも違った形で「古着市場」が確立しつつあるようだ。