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あの強烈な髪型と極太ズボンが若者にウケるはずもないが、彼が「若者のために」と思ってデザインさせた学校制服もまた、情け容赦ない酷評を受けている。

デイリーNKは北朝鮮における「イマドキ10代おしゃれ事情」を知るため、昨年10月に脱北したリ・チョルフン君(仮名)にインタビューした。彼の金正恩デザインに対する評価は、「あんなダサい制服を着たら人間の価値が下がります」と、何とも無慈悲なものであった。

ちなみに、かつてオシャレなど考えたこともなかった北朝鮮国民の間で、クールなファッションの風を巻き起こしたのは韓国の学生運動の女性闘士、林秀卿(イム・スギョン)氏だった。89年、韓国政府の制止を振り切って訪朝。その際のさわやかな服装や自由な発言が、北朝鮮の人々に衝撃を与えたのだ。

林氏は帰国後に懲役刑を受け、その後は脱北者の言動を非難する親北政治家となった。そんな彼女が全体主義しか知らない国民に「自由」を意識させたというのだから、北朝鮮の体制にとっては皮肉な話だ。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記