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北朝鮮が、日米韓とEUなど主要国からの人権問題追及の動きに強く反発している。

主要国は今月上旬から、北朝鮮の人権問題に関する新たな国連決議案の草案づくりを始めている。草案には、人権侵害の最高責任者の国際刑事裁判所(ICC)付託のほか、◆責任者の処罰◆拉致問題の解決――などが含まれているという。

これは究極的には、金正恩氏を刑事被告人として法廷に立たせようという試みである。

この動きが表面化するや、北朝鮮外務省は報道官の言葉として、「敵対勢力の無分別な反共和国『人権』対決狂気を断固たる超強硬対応であくまで制圧する」とするメッセージを発表した。

興味深いのは、北朝鮮がこのメッセージの中で、米国やEUの人権問題をあげつらい「人権の被告席に座るべき罪人はどちらの方か」と反論している部分だ。

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そこで列挙されているのは、米軍装甲車による韓国少女轢殺事故、イラクやアフガンでの民間人誤爆、テロ容疑者たちの秘密拘束と拷問、警官による黒人射殺や銃器犯罪、EUでの難民処遇問題などである。

その言い分を切り取り、北朝鮮が発したものであると隠して人々に提示すれば、「なるほど、もっともな主張だ」と首肯する人も多いのではないか。

これが何を意味するかと言えば、北朝鮮の支配層は、どんなことが人権侵害であるかを理解しながら、人権侵害を続けているということだ。

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つまりは「確信犯」である。

しかしその一方、人権を尊重された経験のない北朝鮮の大衆の中には「人権とはどんなものか」という概念すら持てていない人も少なくない。

最近、北朝鮮の軍隊内で横行する性的暴力を告発している脱北女性らも、それが「人権侵害」であると気付いたのは韓国に逃れた後でのことだったという。

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人々から「人権の概念」を奪ってしまうほど、重大な罪はない。

北朝鮮の体制は、諸外国に対していくらでも人権問題について「説教」を垂れるが良い。そのすべてが、いずれ「確信犯」を追及する上での証拠になるのだから。