北朝鮮を訪れた外国人には、案内員と呼ばれるガイドが必ず同行する。観光客の便宜を図ると同時に、監視や体制の宣伝活動も行うが、最近は案内員が観光客を質問攻めにすることが多いと言われている。

チュチェ思想塔の女性ガイド ©Clay Gilliland
チュチェ思想塔の女性ガイド (画像:Clay Gilliland)

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、最近北朝鮮を訪問した中国朝鮮族の旅行者が「女性案内員が韓国について高い関心を示した」「韓国についていろんなことを聞かれた」と語ったと伝えている。 案内員は様々な機会をとらえて、韓国の生活について様々な質問を投げてきたという。たとえば、「韓国は映画の中で描かれているように本当に豊かなのか」と聞かれた。また、彼女は韓流ドラマのタイトルをよく知っているだけでなく、具体的なシーンについても詳しく語っていたという。

この旅行者は「昨年訪れた時には案内員から『南朝鮮(韓国)は農業国か、工業国か』と聞かれて唖然としたが、今年はむしろ案内員の方が韓国についてよく知っているという印象を受けた」と語った。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は「韓国の発展ぶりについては一般住民より幹部の方がよく知っている」「司法機関の幹部たちは住民から押収した韓流ドラマのソフトを自分たちで見ている」と語った。

また「幹部やその家族は、一般住民より韓流ドラマや韓国のラジオに接する機会が多く、漠然とした情報より、具体的な数字を知りたがる」と語った。

今年の夏に北朝鮮を訪問した日本人観光客は次のように語った。 「私が韓国を何度も訪れたことを話すと、案内員から韓国のことをよく聞かれた。詰問ではなく純粋に好奇心から聞きたがっている様子だった。数人でいるときは周りの目が気になるのか、漠然と話すだけだったが、私と2人きりになった時は韓国についてより具体的な話をした」

「とある題材の時代劇映画の話になった時、案内員が『韓国バージョンを見た』と口を滑らせてしまい、顔を見合わせて大笑いした」

「案内員たちは、韓国の文化や経済のことについては、私の話に興味津々の様子ながらも評価を避けているようだったが、料理の話は政治的なプレッシャーがないからかとても盛り上がった。味の話になると『やはり南朝鮮より我が共和国の味の方が一枚上だ』とプライド全開で微笑ましかった」

現時点で、北朝鮮と韓国の庶民同士の交流の機会は皆無に近い。しかしいずれそのような機会が生まれるときまでには、北の人々は南について相当な知識を身につけているかもしれない。