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北朝鮮政府は各地で発電所の建設を進めているが、深刻な電力難は一向に解消しそうにない。地方では一日に一度も電気が通らないことは当たり前だが、平壌市中心部の高級マンションですら停電は日常茶飯事だ。

北朝鮮の各家庭では、こうした電力難に対抗するため各家庭にソーラーパネルを設置して自宅で使う電気を賄っているが、そのソーラーパネルが北朝鮮の家電市場を変貌させつつあるとデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

北朝鮮は、AC(交流)220ボルト用の家電が中心だったが、徐々に姿を消し、日本では車載用家電として使われているDC(直流)12Vの家電が出始めているという。中国から輸入される家電はもちろん、北朝鮮製家電も12ボルト用に変わりつつあるという。

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋は「室内照明はもちろん、テレビ、冷蔵庫、扇風機、洗濯機にいたるまでDC12ボルトの家電が売られている」と話す。

中国のインターネットショッピングモール「タオバオ」で検索すると、様々なDC12ボルト家電が存在することがわかる。

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新義州の市場では30ワットの中国製ソーラーパネルが38ドル、28アンペアの北朝鮮製バッテリーが30ドルとかなり高値で売られているが、寿命が非常に長いため、何度も買い換える必要はない。

ソーラーパネルを活用した「北朝鮮式自家発電」は次のようなプロセスで行われる。

まず、ソーラーパネルで発電した直流電力をバッテリーに蓄電。電気を使用する際、変圧器で交流に変えて12ボルトに降圧させてから直流に戻す必要がある。蓄電は直流でしかできないが、変圧は交流でなければ難しいからだ。

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変流、変圧に伴うロスは大きいものの、直流ならば少ない電気でも家電を使うことができるため、こうしたプロセスをたどるのだ。

実は、「直流家電」は効率がいいことから日本でも各社が研究を進めている。北朝鮮庶民が「生活の知恵」で編み出した電力供給の「自力更正」は世界に先んじた形であり、北朝鮮を「ソーラー発電の国」にしてしまったのだ。