北朝鮮が予告したアメリカの女性記者2人の裁判が今日行われる。

北朝鮮の長距離ロケット発射（4月5日）に続き、核実験（5月25日）など相次ぐ挑発行為に対し、アメリカが制裁に積極的に乗り出すなど、米朝が深刻に対立しているため、今回の裁判から今後の北朝鮮の動きが予想されると思われる。

専門家らは、裁判で刑が確定すると、米朝間の交渉が本格的に推進されると予想している。アメリカは外交的な解決方法をすべて使い、早期釈放を要求している。しかし、北朝鮮は核問題で孤立に追い込まれている現状を何とか解消するために、政治的なカードとして活用する可能性がある。

一部では、北朝鮮が女性記者の釈放を米朝2国間会談の開催や、米朝関係での主導権争奪のためのカードとして使うだろうという分析も出ている。

しかし、北朝鮮の狙いが実現するかどうかはまだ分からない。女性記者の釈放問題と北朝鮮の核問題は別の問題として対応すると、アメリカが何度も強調しているからだ。

アメリカの主導で国連の対北制裁が行われているため、アメリカが自分の主張を撤回する可能性はないと考えられる。ただ、アメリカが女性記者の問題をきっかけに、より積極的に北朝鮮との対話に乗り出し、釈放の対価として水面下で支援する可能性もある。特に、アメリカ国内で女性記者の釈放に政府がより積極的に取り組むべきだという役割論が浮上すれば、アメリカ政府の動きは一層早まるだろう。

アメリカ国務省のロバート・ウッド報道官が1日に、「北朝鮮に拘束されている女性記者2人の釈放の問題は、オバマ大統領とクリントン国務長官にとっては最大の関心事」と話したのも注目すべきだ。アメリカ国内では対北特使としてアル・ゴア元副大統領が北朝鮮を訪問する案も出ているという。

北朝鮮が発表している女性記者２人の容疑は、「不法入国と敵対行為」だ。北朝鮮の刑事訴訟法によると、敵対行為は10年以下の労働教化刑の可能性がある。

北朝鮮は3月17日に拘束している女性記者2人と関連して、事件の経過や起訴の過程を朝鮮中央通信を通じて発表した。同通信によると、3月21日にアメリカの女性記者を拘束し取調べ、3月31日に不法入国と敵対行為の容疑を確定して起訴を準備し、4月24日に起訴を決定し、5月14日に中央裁判所に起訴し、6月4日に起訴を決定したという。

北朝鮮では司法部の独立性が保障されていないため、判決は北朝鮮政府の判断によるものだ。刑は対米交渉のためにある程度重みのある政治的な判断で決定すると思われる。

北朝鮮の刑事訴訟法によると、裁判は主に取り調べ、予審、起訴、裁判など4段階の手続きを踏むという。北朝鮮は女性記者の問題について、起訴の時点を具体的に言わなかったが、裁判のスケジュールを公開したことを考えると、取り調べ、予審、起訴までは終わったと考えられる。

北朝鮮の裁判は通常2審制だ。女性記者2人の裁判が行われると言われている中央裁判所では、主に2審裁判が行われる。

だが、北朝鮮の刑事訴訟法は必要により、中央裁判所が1審を管轄するという例外規定も定めている。しかし、中央裁判所がくだした1審の判決や判定については、上訴などが不可能という規定もあるため、アメリカの女性記者の裁判は1審で終わる可能性が高い。

北朝鮮の刑事訴訟法301条によると、裁判のスケジュールは裁判の審理の開始→事実の審理→論告と弁論→被疑者の最後の弁論→判決委員会の宣告となっている。1審の裁判は、事件の記録が受け付けられた日から25日以内に終えるように定められている。（287条）

ただ、裁判の日程に関する規定がなく、裁判が1日ですべて終わるかどうかは分からないというのが、専門家らの意見だ。