北朝鮮の政治犯収容所の撤廃を訴える日本の市民団体「NO FENCE」など、韓米日の北朝鮮人権団体が合同で、アメリカのオバマ大統領に宛てた手紙を駐日アメリカ大使館に送り、北朝鮮の収容所の問題に積極的に乗り出すよう要請した。
東京に事務所がある「NO FENCE」の宋允復事務局長は3日、「デイリーNK」との通話で、「オバマ大統領がグァンタナモ収容所の閉鎖を決断して、ナチスの強制収容所があったドイツのブーヘンバルトを訪問するという消息を聞いた」と話し、「これをきっかけに、収容所が北朝鮮にも厳然として存在するという事実を国際社会に知らせたかった」と説明した。
宋局長は「北朝鮮の核とミサイル問題が起きた時だけ北朝鮮に関心を持つのではなく、最も急がれる人権問題である、政治犯収容所の問題を直接取り上げなければならない」と述べ、「金正日が望んでいる軍事的な問題よりも、一番敏感に反応する人権問題に対して圧力を加え続けなければならない」と強調した。
これらの団体は手紙で、「グァンタナモ収容所の閉鎖を決断し、核軍縮に意欲を表明している閣下の、高い人権意識と矢継ぎ早の行動に深甚なる敬意を表します」と述べ、「(北朝鮮では) 複数の大規模強制労働収容所(政治犯収容所)が存在し、30万人とも推定される罪無き人々が奴隷として日々酷使され虐待され殺されているのです」と指摘している。
手紙にはまた、「元収容所警備兵安明哲(アンミョンチョル)氏の証言によれば、核実験場となった豊渓里(プンゲリ)の大規模地下トンネル工事には隣接する強制収容所から多数の青壮年男女が動員され、彼らは一人も生きて帰りませんでした」、 「北朝鮮の核開発も強制収容所を中核とする人権抹殺の果実、派生物なのです」と書かれている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面更に、「ナチスの収容所は第二次大戦における敗北によって十年を経ずに解体されましたが、北朝鮮の強制収容所はすでに40年以上の歴史を刻み、犠牲者を呑み込み続け、外部には脅威を生み出し続けています」と述べ、「もし、私たち自由民主主義諸国の政府、指導者、市民が、北朝鮮の強制収容所について力強く声を挙げることなくやり過ごすならば、後世『あなた方は歴史の経験からいかなる教訓を学んだのか』と問いただされるに違いありません」と強調している。
これらの団体はオバマ大統領に、「私たちは、核とミサイルを振り回す独裁者との駆け引きに汲々としているばかりではならないはずです」と訴え、「閣下が北朝鮮の金正日政権に対し、強制収容所問題を正面から提起し、その廃絶を求める力強い人権外交を展開されますことを祈念いたします」と要請した。
手紙を送った団体は、日本の北朝鮮による拉致被害者家族連絡会、救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)や北朝鮮難民救援基金、韓国の北韓民主化委員会、北韓民主化運動本部、北韓人権市民連合, 北朝鮮民主化ネットワーク、自由北韓放送、開かれた北朝鮮放送、アメリカの北韓自由連帯(North Korea Freedom Coalition)、ジュビリー・キャンペーンなどである。