電力も「自力更正」

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新義州の市場では30ワットの中国製ソーラーパネルが38ドル、28アンペアの北朝鮮製バッテリーが30ドルとかなり高値で売られているが、寿命が非常に長いため、何度も買い換える必要はない。

ソーラーパネルを活用した「北朝鮮式自家発電」は次のようなプロセスで行われる。

まず、ソーラーパネルで発電した直流電力をバッテリーに蓄電。電気を使用する際、変圧器で交流に変えて12ボルトに降圧させてから直流に戻す必要がある。蓄電は直流でしかできないが、変圧は交流でなければ難しいからだ。

変流、変圧に伴うロスは大きいものの、直流ならば少ない電気でも家電を使うことができるため、こうしたプロセスをたどるのだ。

実は、「直流家電」は効率がいいことから日本でも各社が研究を進めている。北朝鮮庶民が「生活の知恵」で編み出した電力供給の「自力更正」は世界に先んじた形であり、北朝鮮を「ソーラー発電の国」にしてしまったのだ。