興味深いのは、北朝鮮がこのメッセージの中で、米国やEUの人権問題をあげつらい「人権の被告席に座るべき罪人はどちらの方か」と反論している部分だ。
そこで列挙されているのは、米軍装甲車による韓国少女轢殺事故、イラクやアフガンでの民間人誤爆、テロ容疑者たちの秘密拘束と拷問、警官による黒人射殺や銃器犯罪、EUでの難民処遇問題などである。
その言い分を切り取り、北朝鮮が発したものであると隠して人々に提示すれば、「なるほど、もっともな主張だ」と首肯する人も多いのではないか。
これが何を意味するかと言えば、北朝鮮の支配層は、どんなことが人権侵害であるかを理解しながら、人権侵害を続けているということだ。
つまりは「確信犯」である。