25日に北朝鮮が2回目の核実験を行った翌日、国連安保理は素早く、アメリカと中国、ロシア、イギリス、フランスの5カ国常任理事国と、日本や韓国(P5+2)が参加する会議を招集した。この会議で対北制裁の方法について議論したが、一週間が過ぎた6月1日現在、制裁の具体的な内容に関する合意には至っていない。
安保理はこれまで4回会議を開き、より強化された対北制裁決議案の採択という原則には合意したが、詳細な内容については中国とロシアが足かせになっているため、決議案の合意が遅れている。
韓国・外交通商部の関係者は先月31日に、「日本とアメリカが決議1718号の措置を強化するという内容の草案を提出した。それについて主要国が協議を進めている。しかし、中国とロシアが一部の内容に反対しているため、どのような内容の決議案になるかはまだ分からない」と話した。
06年10月に北朝鮮が1回目の核実験を行い、安保理は5日に、すべての核実験と弾道ミサイルの発射の中止という内容が盛り込まれた、対北決議1718号を満場一致で採択した。4月5日に北朝鮮が長距離ロケットを発射した1週間後には、「対北決議1718号の明白な違反」という内容の議長声明が採択された。
国連にいる外交官らによると現在安保理は、従来の1718号決議にもかかわらず2回目の核実験を行った北朝鮮に対する、実質的に効果がある制裁方案について議論しているという。実効性を主に考慮しているため、検討に時間がかかっているという。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面アメリカ・ホワイトハウスのロバート・ギブス報道官も先月29日、中国が対北金融制裁に参加する可能性について、「この数日間の北朝鮮の行動に対応するために、銀行や港と関連した様々な措置について話し合っている。中国が議論や対応において非常に役に立っている」と述べ、中国の協力に満足していることをほのめかした。
最近中国が、北朝鮮との交流を暫定的に中断することを決めたという話も出ているため、安保理でも日米が提案している強力な対北制裁案に中国が合意するだろうという予想も出ている。
6カ国協議への復帰を促すために、北朝鮮に共産党の王家瑞対外連絡部長を送ることにしていた計画を白紙にしたという話も出ている。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面中国が1日から予定されていた全国人民代舞蜑?フ陳至立副委員長の訪朝まで電撃キャンセルしたのも、中国の「北朝鮮との交流を暫定的に中断する」という立場の一環ではないかという推測が出ている。
だが、中国は北朝鮮に対する影響力を維持する必要があるため、北朝鮮との貿易を自ら遮断するなど、独自制裁に乗り出すことはないと言われている。
韓国・統一研究院のチェ・チュンフム先任研究委員は、北朝鮮の同盟国であり、6カ国協議の議長国でもある中国が、北朝鮮を完全に孤立させる日米韓の強硬制裁案に賛成する可能性は低いと主張している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面チェ先任研究委員はデイリーNKとの電話インタビューで、「中国は北朝鮮の追加核実験に対しては強く反対しているが、北朝鮮の制裁に率先して取り組んだりはしない」と述べ、国連安保理の制裁について簡単には合意が出ないだろうと予想した。
アメリカ・国務省のジェームス・スタインバーグ副長官が率いる、アメリカの6カ国協議参加国の訪問代表団は日本と韓国に続き、今週は中国を訪問して、胡錦濤国家主席などと面談する予定。安保理の制裁方案や北朝鮮の核問題について議論すると言われており、両国の協議の結果が注目されている。