北朝鮮で、またもや韓流をはじめとする不法映像物の取り締まりが強化されていると米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

「最近、109常務捜索チームが、連日のように家に押しかけてきて、布団から押し入れ、台所、庭の犬小屋まで探し回る」

こう語るのは、RFAの平安北道(ピョンアンブクト)情報筋。「109常務」とは携帯電話や韓流などを取り締まる人民保安部(警察)所属の検閲部隊だ。

同じような任務を遂行する部隊に「1118常務」があるが、2015年には、国家安全保衛部傘下の「1080常務」が新設されている。名称は、金正恩第1書記の誕生日「1月8日」に由来するという説もあるが、定かではない。

「109常務は、昼夜問わず土足で家の中に入って捜索を名目に荒らしていく。南朝鮮(注:韓国)のCDやUSBメモリなどが発覚すれば『政治犯として処罰するぞ!』と警告する」(情報筋)

これまでは、こうした犯罪に対する処罰は、程度にもよるが労働鍛練隊(強制労働)や2〜3年の労働教化所刑だった。しかし、政治犯として処罰されると政治犯収容所に収容されたり、最悪の場合「死刑」もありうる。さらに、摘発対象は韓流だけでなく「中国映像の視聴も発覚すれば、厳罰を受けることになる」と情報筋は述べた。

これに関連して両江道(リャンガンド)の情報筋は、「本来、109常務は人民保安部所属だが、不法映像物の視聴や所持で逮捕されると、すぐに保衛部(注:国家安全保衛部=秘密警察)に身柄を引き渡され尋問される。保衛部の尋問の残酷さは、人民保安部のそれとは比較にならない」と語った。

「109常務が家に来たら南朝鮮の映像がなくても、それ以外の問題でも引っかかりかねないので、住民たちは何も話せないほどの恐怖心を抱いている。また、木蘭ビデオ(注:北朝鮮国営ビデオ製作会社)で製作された映像メディアでさえ、一旦没収され調べた上で持ち主に返す」(情報筋)

109常務が結成されたのは2005年だが、10年間にわたって携帯電話の通話や不法映像物に対して無慈悲な捜査を続けながら、住民達を恐怖の渦に巻き込んでいる。

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