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北朝鮮の金正恩第1書記が頻繁に行う「現地指導」が、教育や医療、経済の現場に混乱をもたらしている。

まず、被害を受けたのは学校だった。

北朝鮮では一昨年から「12年制義務教育制度」が施行されており、正恩氏はそれと同時に「学校現代化建設」を進めよと指示している。

ところが、中央政府からの予算支援はなく、校舎や施設の拡充、補修の費用など、すべては学校が「自力更生」で運営しなければならない。

そのため、教員らは頭をひねり、裕福な生徒の家庭から資金や資材を徴収する策を練った。しかしそのことで生徒たちの貧富の格差が浮き彫りになり、葛藤が生じているという。

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一事が万事この調子で、正恩氏が投げっぱなしにする「現代化」の指示に、現場がきりきり舞いさせられているのだ。

人の命を預かる現場はなお酷い。医師たちは設備の「現代化」の原資を確保するため患者からワイロを徴収。妊娠中絶手術の対価として「ディーゼル油」を要求しなければならない状況だとされる。

北朝鮮では女性らの間で「出産拒否」の傾向が強まっていることもあり、中絶手術の需要は多い。これらの状況が相まって、「ヤミ医療」が横行する事態にもなっている。

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そして、無茶な「現代化」指示によりもっとも混乱しているのは経済の現場かもしれない。金正恩氏はまったく問題のない生産設備についても「新しくしろ」と命じるため、現場の人々はバカバカしさを堪えて、工場などを解体しては、もともと使われていた資材で建て直すということを繰り返している。

ちなみに、正恩氏はスッポン養殖工場を視察した際、管理状況が気に入らないとして激怒。後に支配人が銃殺される事態となったが、その様子が動画で残されている。

もしかしたらあの支配人も、正恩氏の理不尽な指示に対応し切れず、殺されるはめになったのだろうか?

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北朝鮮でも国民経済は資本主義化しており、経営者たちの思考は日々、合理的になっている。

それだけに、金正恩氏の指示に付き合う彼らの「苦痛」も、いよいよ限界に来ているのではないか。