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2006年には北朝鮮のミサイル実験と核実験の与えた衝撃が国内外を駆け巡り、北朝鮮を取り囲んだ情勢が切迫した。

これに6者会談再開や北米間金融制裁問題などの政治的懸案が主要問題として上がったが、北朝鮮の人権改善を促す国際社会の動きも、この1年間継続した。

特に、国連総会が2005年に引き続き二回目の‘北朝鮮人権決議案’を通過させた。今まで決議案の投票を棄権してきた韓国政府が賛成したという点でも、その意味は特別である。

それ以外にも3月と7月にはベルギーのブリュッセルとイタリアのローマで、それぞれ‘北朝鮮人権国際大会’が開催され、日本でも12月に政府の支援を受けて、大規模な北朝鮮人権大会が開かれるなど、北朝鮮の人権運動の国際的連帯も続いた。

アメリカでは北朝鮮脱出難民6人を初めて受け入れ、北朝鮮の政治犯収容所を素材にしたミュージカルが国内の主要都市及びワシントンで開幕し、公開処刑の危機にさらされていると伝えられている北朝鮮の住民のための国際人権団体による救命活動も展開されるなど、北朝鮮の人権を取り巻く多様な活動が行われた。

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2007年に北朝鮮を取り巻く最大の話題としても、核と人権問題を挙げることができるであろう。

特に、この5年間、国際社会で公論化された北朝鮮の人権問題の実質的改善のための具体的方案が論議されると予想される。

また、2008年の中国オリンピック開催を狙った脱北者送還反対運動が、世界中に拡散するはずであり、ヘルシンキ協定をモデルにして人権を対北政策の主要アジェンダとして訴えなければならないという声も高まるだろう。

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デイリーNKは国連と北朝鮮の人権団体の活動を基に、2007年の北朝鮮人権運動を展望した。

◆ バン・キムン国連事務総長、 ‘北の人権報告書’ 提出

去る12月、国連総会で通過した北朝鮮人権決議は、北朝鮮の人権状況に対する次期総会での持続的な検討と事務総長の報告書提出を要請している。したがって、バン・キムン新任国連事務総長は、今年末、北朝鮮の人権全般に関する包括的報告書を提出しなければならない。

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また、決議案は拘束力を持つ‘決定する(decides)’と言う表現を使い、昨年採択された決議文とは違い、国連総会が北朝鮮の人権問題を長期的な案件として扱うことができる根拠を用意した。

それ以外にも、昨年スタートした国連人権理事会も、3月から会期が始まり、北朝鮮の人権弾圧を糾弾する具体的な動きが予想されている。ビティット・ムンタボン北朝鮮人権特別報告官が作成した北朝鮮の人権状況に関する報告書も、3月に公開される。

今年はまた、北朝鮮の‘外国人拉致’に関する国際社会の攻勢も続く見込みである。12月に国連総会では、2005年に引き続き二回目の北朝鮮による外国人拉致を糾弾する決議案を採択した。

特に、去年スタートした日本の安倍政権は‘拉致問題対策本部’を新設するなど、拉致問題解決のための強硬な立場を引き続き維持し、国連などを通じて対北攻勢を続ける見通しである。

アメリカ国務省やアムネステイ・インターナショナル(Amnesty International)、ヒューマンライツウォッチ(HRW)などの国際人権団体でも、北朝鮮の人権状況に関する報告書が発刊される予定。

◆ 各種国際大会開催-北朝鮮体制の展望を話題に

国際社会の初期北朝鮮人権運動は深刻な食糧難や在中脱北者たちの人権問題に焦点を合わせていた。北朝鮮の人権問題に対する国際的関心が数年間続き、これからは具体的な改善法案に対する論議に発展して行くだろう。 また、人権問題が北朝鮮の体制問題と関連し、北朝鮮崩壊の展望と以後の対策に対する論議にまでつながっている。

これまで毎年、ワシントンで‘北朝鮮人権週刊’の行事を主催してきたスザンナ・ショルテ北朝鮮自由連帯会長は、“今年の4月に開かれる‘北朝鮮人権週刊’を通じて、金正日以後の北朝鮮の生活がよりよいだろうということを全世界に示したい”と語り、“韓国内の脱北者団体の代浮スちを招待して、代負?cを開き、金正日以後の北朝鮮に対してどのような計画を持っているのかということについて聞ける席をもうける”と明らかにした。

ショルテ代表はまた、この会議に世銀と赤十字社のような国際機関の関係者も招請し、北朝鮮社会の再建についての意見も交換するという計画を明らかにした。

北朝鮮人権市民連合(理事長ユンヒョン)も、8月にヨーロッパ地域で‘第8回北朝鮮人権難民問題国際会議’を開催し、北朝鮮体制の今後の展望について議論する。この席では東欧地域の民主化を誘導した‘ヘルシルキ協定’が北朝鮮にも適用できるかということについて、集中的に討論される予定である。

また、日本でも北朝鮮人権法によって指定された、北朝鮮人権侵害問題週刊(12月)に合わせて、各種の行事が開催される予定である。 それ以外にも、国際的な人権団体を中心に、北朝鮮の人権を主題にした国際大会が準備されている。

◆ 対北放送拡大-米・日 サポート活性化

2007年度の北朝鮮人権運動の大きな流れの一つは、対北放送の活性化であろう。

閉鎖的な北朝鮮社会を動かすことができる一番效果的な方法の一つとして、北朝鮮国内に、外部世界の情報を流さなければならないという声が大きくなっている。

脱北者の自由北朝鮮放送は、2005年から短波ラジオ放送を始めて、現在一日に一時間ずつ放送をしているが、これから放送時間と内容を拡充する計画である。

民間参加型の対北放送である開かれた北朝鮮放送局も、当初は一日に30分ずつ放送をしていたが、昨年の12月から1時間ずつ拡大放送している。

開かれた北朝鮮放送局は、特に英語教育、離散家族事情、大学放送など、多様な素材を活用した対北放送を進行することで注目されている。

一方、アメリカ国務省は100万ドルの予算を韓国内の対北放送団体の支援に割当てた。アメリカは2004年に通過した北朝鮮人権法にも、対北放送活性化のための条項を盛り込んでいる。

ボイス・オブ・アメリカ(VOA)放送は、こうした措置によって、去年の10月末頃から一日3時間だった放送時間を30分も延長し、今年の10月には5時間に拡大する計画である。現在、20人程である韓国語サービス担当のワシントンの人力を2倍に増やし、ソウルに新しい事務所を開設する予定。

一日4時間ずつ韓国語放送サービスを提供しているラジオ・フリー・アジア(RFA)も、韓国支社職員を拡充するなど、韓国語放送活性化のための方案を模索中である。

また、日本の自民党も‘特定失踪者問題調査会’が運営する対北短波ラジオ放送、‘しおかぜ’に対する補助金の支給を政府に要請する予定である。