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北朝鮮で、韓国と同じく「秋夕(チュソク:日本の旧盆に当たる)」の時期がやってきた。秋夕は、「民族最大の明節」と言われ、全国の家庭は大忙しとなるため、治安機関の取り締まりもゆるくなりがちだ。

この繁忙期のスキを狙って、麻薬の流通が増加しているとデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋は次のように語る。

「この時期、麻薬や「非社会主義的商品」と言われる禁制品の取り締まりが、ほとんど行われていない。覚せい剤の原材料となるフェニル硝酸でさえ、小麦粉の麻袋に入れられて自転車の荷台で堂々と運搬されるほどだ」

麻薬や覚せい剤も、秋夕用の食材の袋に入れてカムフラージュすれば、市や郡の境界線にある検問所を通過できるという。

「袋に「鎌」さえ入れておけば「墓参りの時に雑草を切るため」と見られ、取り締まりを避けることができる。また、先祖を崇拝する文化から、秋夕に関連したものに手を触れることは、はばかられることから治安員も軽々しく手を出せない」(情報筋)

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さらに、麻薬や覚せい剤に加えて、密造酒、トンジュ(金主=新興富裕層)が経営する民間工場で作った靴底、アルミニウム、鉄筋なども多く流通している。とりわけ靴底は、「秋夕を迎えて、靴を修繕する住民が増えるため需要が高まり、国営商店から個人経営の工場へ横流しされている」と情報筋は付け加えた。