彼らの多くは現地の民間企業に就職。高額の報酬を得てゲーム開発者などとして働きながら、本国からの指令を受けるやハッカーに変身し、韓国など諸外国へのサイバー攻撃を遂行しているという。
ということはつまり、北朝鮮が中国の拠点から米国に対してサイバー攻撃を仕掛けたならば、米国がそれを、中国政府の支援を受けたものと「誤解」する可能性はある。中国にとっては迷惑な話だろう。
ちなみに北朝鮮は、近く長距離弾道ミサイルの発射や4回目の核実験を行うことを繰り返し示唆している。本当に実行されれば国際社会との摩擦はいっそう強まり、国連の制裁措置が強化されるのは必至だ。それどころか、韓国などはすでに、金正恩氏の「斬首作戦」をも選択肢に加えようとしているぐらいだ。
こうした動きに対して金正恩氏が「逆ギレ」した場合、報復手段としてまず考えられるのがサイバー攻撃である。
米国の専門家も、北朝鮮が近くサイバー攻撃を行う可能性を指摘している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面核やミサイルばかりでなく、サイバー空間における北朝鮮の「見えない脅威」についても警戒が必要だ。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。