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北朝鮮では、深刻な紙不足に陥っている。パルプと電力の不足により、製紙工場がまともに稼働できない状態が続いているからだ。そこで生活に欠かせないのが古新聞。北朝鮮の新聞の紙質は悪いが、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」だけが、紙質が良く「古新聞として使える」と脚光を浴びているという。

平安南道(ピョンアンナムド)在住のデイリーNK内部情報筋は、最近の「古新聞事情」について次のように伝えてきた。

「どの市場に行っても労働新聞が古新聞として売られており、1枚5北朝鮮ウォン(約0.75円)が、10北朝鮮ウォン(約1.5円)に値上がりするほど値段は上昇傾向だ」

値段が上昇する理由は、家の改修のためだ。この時期、秋の農閑期を迎え、家の修理をする住民が増えるが、なかなか良質な壁紙が手に入らない。そこで、質のいい労働新聞が壁紙として使われるのだ。

北朝鮮当局にとっては、プロパガンダ、宣伝扇動用として不可欠な労働新聞だが、いまや庶民にとっては生活必需品。しかし、なぜか「誰も買わない紙面」がある。

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労働新聞、とりわけ1面や2面には、頻繁に金正恩第1書記をはじめ、故金日成氏、正日氏の肖像画や写真が掲載される。金一族の写真は「1号写真」と称され、北朝鮮では最も神聖なるものだ。

例え新聞といえども、傷をつけたりすることは許されない。2011年に金正日氏が死去した時、労働新聞の1面に金正日氏の遺影が掲載されたが、顔を折らないように奇妙なたたみ方をせざるをえなかった。1号写真が掲載された紙面は1ウォンで売られていても誰も買おうとしない。

こうした事情もあって、今では、肖像画の部分だけ切り取って紙面は販売され使用されている。