北朝鮮が開城工業団地の勤労者の賃金を、学歴別に上げることを要求し、政府と企業が対策に苦心していると伝えられた。
17日に統一部の当局者が、“北側が昨年末に開城工業団地の労働規定施行細則を制定する過程で、学歴別に賃金を変える案を提示した”と述べ、“現在50ドルである基本給から、大卒者は30%、専門学校(短大)卒業者は10%程度、賃金を引き上げてほしいと要求した”と語った。
しかし、北側のこうした要求に対して企業は、出入国も自由ではなく、北側の勤労者に対する人事権もないなど、経営環境の改善が優先だという理由で、北側の要求を拒否した。
更に企業は大卒者も高卒者もすべて同じ仕事をしている状態で、ただ学歴が高いという理由だけで賃金を多く与えることはできないという立場だ。両者の立場が対立し、南北間の協議が進行していない状態だ。
2002年に入国した脱北者のキム某氏は、“北側は大学卒業者と中学校(高等学校)卒業者の初任給が北朝鮮の貨幣で約30ウォン、多くは60ウォンまで差がある”と述べ、“開城工業団地の労働者の差をつけた支給の要求には多くの理由があるが、このような原因も大きく作用しただろう”と語った。
北側は同時に、労働者に作業量を割り当てて、実績によって報酬を変える請負制の導入も要求しているが、企業はこれまた定額賃金制の規定に該当せず、品質の低下が憂慮されるというなどの理由から反対している。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面北側は昨年初めに、最低賃金を引き上げてほしいと要求したが、南側の反対にあった。今年はこの問題はまだ取り上げられていないという。前年の5%を過えることはできないようになっている賃上げは、公団のスタート以後、一回も実施されていない。
南側の開城工業地区管理委員会の関係者は、“韓米自由貿易協定(FTA)で原産地規定問題などが解決されず、開城工業団地の製品の輸出がままならない状況で、北側の勤労者の賃金を上げ辛いというのが、企業の立場”と説明した。
しかし、“さまざまな事情から、北側の要求を全面的に拒否しにくい状況”と言い、賃金引き上げの可能性は否定しなかった。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面現在、開城工業団地には1万3千人以上の北朝鮮勤労者が働いており、大部分が高卒者だが、大卒者と専門学校の卒業者もそれぞれ約10.6%、11%を占めている。