北朝鮮はまた、武器取引以外でも、アフリカを舞台に外貨獲得ビジネスも活発に展開している。最近では、北朝鮮が赤道ギニアから30億ドル規模のIT事業を受注したというニュースもあった。
赤道ギニアはアフリカ第3の産油国であり、資金は豊富だ。
そして、北朝鮮が最も得意とするのが、独裁政治家のために壮麗な大統領宮殿や、巨大な銅像を建てるビジネスである。
もっとも、手抜き工事やピンハネ疑惑など、アフリカでトラブルが多発している事実もあるのだが……。
いずれにしても、北朝鮮の外交関係を注意深く観察することなしには、日本とて有効な対北戦略を練ることはできないだろう。
高英起(コウ・ヨンギ)
1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 、 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 、 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。