韓国側にわたることに成功した北朝鮮住民65人のほとんどが、西海5島(ソウルから西に約200キロ離れたところにある韓国領の島で、北朝鮮の甕津半島に近接)にたどり着き亡命を申請したが、中には韓国本土に越境して申請したケースもある。
65人のうち、韓国軍が事前感知できなかったのは15人。内訳は、近隣の住民や漁師の通報で身柄が確保された12人、自ら亡命を申し出た朝鮮人民軍兵士3人だ。この代表例が2012年10月に起きた「ノック帰順」と呼ばれる事件だ。
韓国東海岸の江原道高城郡の軍事境界線に張られた鉄柵を超えて、韓国側に入った朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士が、韓国軍の哨所のドアをノックして亡命を申し出た事件である。韓国軍の警戒の緩さが大問題となり、将軍5人を含む14人が処分を受ける事態に発展した。
また、2013年8月23日午前3時頃には、北朝鮮住民1人が北朝鮮側から川幅2.5キロの川を泳いで仁川市江華郡の喬桐島に上陸し、民家のドアをノックして亡命を申し出た事件も起こっている。