北朝鮮北東部の咸鏡北道(ハムギョンブクト)羅先(ラソン)市が大洪水に見舞われ、さながら戦場のようになった現地の様子が伝えられる中、北朝鮮内部情報筋が撮影した被災地の最新画像をデイリーNKは入手した。

デイリーNKが28日単独入手した羅先の水害復旧現場の画像。洪水で家の窓がはずれ、屋根瓦が傾いている様子がわかる。(左)家の前にあった個人耕作地は跡形もなく消え去ったいる。(画像:デイリーNK咸鏡北道内部情報筋)
デイリーNKが28日単独入手した羅先の水害復旧現場の画像。洪水で家の窓がはずれ、屋根瓦が傾いている様子がわかる。(左)家の前にあった個人耕作地は跡形もなく消え去ったいる。(画像:デイリーNK咸鏡北道内部情報筋)

画像には、シャベルや素手で復旧作業にあたっている住民の姿が写っている。家の壁には浸水の跡がくっきり残っており、家の玄関扉、窓はなくなっている。庭先にあった個人耕作地も跡形もなく流されたようだ。また、住宅街には流されてきたガラクタや木が散乱している。

内部情報筋は、被災から現在に至るまでの状況を次のように語った。

洪水が起きたのは22日のことだった。羅先の降水量は160ミリに迫り、街のほぼ全域が浸水した。水は人の背の高さまで達し、家の窓から水が入ってきた。

朝鮮中央通信は死者が40人と言っているが、実際はそれより多い。市内はもちろん、内陸の工場、企業所の被害は甚大だ。

今回大洪水が起きたのは羅先市だけらしい。市の周辺地域の被害状況の把握に乗り出しているが、被害が甚大で把握が難航している。(内部情報筋)

洪水で流されてきた大量の木(画像:デイリーNK咸鏡北道内部情報筋)
洪水で流されてきた大量の木(画像:デイリーNK咸鏡北道内部情報筋)

中国では国家指導者が被災地を訪れて視察したりするが、北朝鮮当局は何もしてくれない。医薬品などあるわけない。

水源が汚染されていたら、飲水の確保も難しくなる。食料は、市内の工場、企業所からの配給が残っていて持ちこたえられるが、水を確保するほどの余裕はない。

中国が復興を支援する意向だと聞いている。中国に駐在している北朝鮮の貿易会社も羅先に飲水を供給する方針だそうだ。(内部情報筋)

デイリーNKが28日単独入手した羅先の水害復旧現場の画像。洪水で家の窓がはずれ、屋根瓦が傾いている様子がわかる。(左)家の前にあった個人耕作地は跡形もなく消え去ったいる。(画像:デイリーNK咸鏡北道内部情報筋)
デイリーNKが28日単独入手した羅先の水害復旧現場の画像。(画像:デイリーNK咸鏡北道内部情報筋)

羅先市の被害については、朝鮮中央通信が28日、朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議で「人民軍が羅​​先市の被害復旧事業を全面的に引き受け党創建記念日前に完全に終了することに対する朝鮮人民軍最高司令官命令を下し、羅先市被害回復戦闘指揮本部を組織した」と伝えている。

北朝鮮当局も、深刻な被害については、一定の把握をしていると見られるが、まだ命令は実行されていないようだ。

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