北朝鮮の水産業者は、中国などに水産物を輸出し外貨を稼ぎだすが、現場では、違法である「韓国ラジオ」を視聴する。その詳しい理由を、平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。
北朝鮮漁民が、韓国ラジオを聞くのは「北朝鮮の天気予報は信じられない」という単純明快な理由だ。波の高さも台風情報も北朝鮮の天気予報は誤報が多く、漁船の遭難につながる、つまり信用に値しない。
実際、平安北道の安州(アンジュ)市水産管理委員会の委員長が昨年、北朝鮮の天気予報を信じて漁に出たところ、予報になかった台風に遭遇して、往来。遭難死亡事故が起きた。
北朝鮮漁民にとって「北の天気予報を信じたら死あるのみ」で、韓国ラジオはまさに「大切な命綱」なのだ。