また、公立学校の質の低下も私教育が広がるきっかけとなった。
北朝鮮の教育の柱は政治・思想教育だ。しかし、公立学校で「偉大なる首領様の幼年期」「朝鮮革命史」をいくら学んでも市場経済化が進む北朝鮮では、まったく役に立たない。さらに、教育施設もお粗末だ。金正恩氏は、「教育施設を現代化せよ」と指示を下しているが、教育現場では予算が足りずに親に費用を押し付ける。
現場では、献身的に努力する教育者もいるが、あまりにも国家が教育の責任を疎かにしていることから、北朝鮮の人々が公教育に背を向けるのも無理はないだろう。