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韓国の左派政権の産物である「太陽政策」に批判的な態度を取っている韓国の李明博政権。こうした韓国の李明博政権に対して、最近金正日は批判のレベルを上げている。アメリカのオバマ政権も「北朝鮮に根本的な変化がなければ、北朝鮮との交渉はあり得ない」という態度を崩していない。そのため、金正日は2回目の核実験の可能性まで公言している。いわゆる崖っぷち戦術を練っているとも言えるだろう。

これまで「太陽政策」を妄信してきた韓国の左派政権は、人道的・経済的支援を通じて北朝鮮を改革・開放に導くというナイーブな思考で対北政策をとってきた。そして北朝鮮が06年10月に核実験を強行したにもかかわらず、太陽政策は間違っていないと言い張っている。

では、左派政権が主張してきた「太陽政策」が北朝鮮を変化させること、つまり改革・開放に導くことは可能なのだろうか。その答えは金正日の統治スタイルを見ればすぐに分かる。以前の金正日は特有の秘密主義や驚かせて効果を倍に高める宣伝術を主に使っていた。北朝鮮が改革・開放の道を進むかどうかは、金正日の統治スタイルから簡単に知ることができるということである。

金正日が改革開放に乗り出すことができないのは彼の統治スタイルとも深い関係がある。国家の運営は放棄して、ただ自分の腹心と独裁機関を維持することに関してのみ卓越した能力を見せてきた。金正日の統治術は恐怖と容認術、利害打算能力に基づいている。

人民は口をかすかに開けることもできないように脅かして、権力の核心機関の幹部たちが金正日の言葉と行動だけに集中するようにして、権力維持のための利害打算に長けて、徹頭徹尾統治してきた。このような統治スタイルを維持してきた金ウ日が、経済の建設を指揮して開放の過程で出る人民たちの様々な要求を受け入れることができると思うこと自体が不可能である。金正日もこの事実をよく分かっているので、頑として改革開放を拒んでいる。

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黄長ヨプ前労働党書記は、「金正日には遠い未来を見通す能力はないが、目先の利害関係を打算する能力はすぐれていて、対話で相手の弱点を捉えて攻撃する能力も長けている」と話した。金正日は政治哲学やマルクスの唯物弁証法にも何の興味も持たなかった。ただ、政治的戦略戦術の問題に対してだけ大きな関心を見せているという。テロやスパイ工作などの問題には特に興味を示すということだ。

金正日が時代を見る目も、人民に対する愛情も無いので指導者としては落第点だ。しかし、時流を把握して独裁をすることにおいてはかなりの能力があり、国家が破産した状態でも政権を維持することができた。金正日独裁を維持する力は組職掌握能力と、宣伝能力から来ていると言っても過言ではない。

北朝鮮のテレビやラジオは金正日の肉声を全く出さない。金正日を撮る時はカメラを上に向けることが多い。神秘化しているのだ。彼は神秘のベールに包まれた人物を装ってきた。金正日を見て涙を流して拍手をしながら沸き返る人民軍の姿は、こうした宣伝技法が大きな比重を占めている。

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宣伝術を通じて人民の指導者としてのイメージメイキング

金正日は金日成の偶像化を通じて、自分だけが唯一の継承者だと主張した。金正日は北朝鮮社会の政治や経済、社会、文化、科学などすべての領域を、金父子の偶像化一色に染めてしまった。そして自分は21世紀の太陽、卓越した英明な指導者、世にもまれな天才という修飾や形容詞を使って人民の上に君臨した。

金正日は宣伝の重要性を知りながらも、大衆の前で演説をしない。同じ独裁者だが、この点でヒトラーと大きな差がある。姿を現せば現わすほど、ただの人間に過ぎず、太ってお腹が出ているという印象しか与えることができなくなるからだ。金正日もこの事実をよく知っている。

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金正日がいつもジャンパーを着ているのも自分の演出の一環だ。ジャンパーは「革命」時代の人の服だ。人民服という印象も与える。彼が人民服を着ている口にできない事情は、短い身長と飛び出たお腹である。これをごまかすためというのが情報機関出身の脱北者の話だ。

いつもベールに包まれていて煙幕戦術を駆使した金正日が、対外のメディアの前にたくさん姿を見せるようになったきっかけは、2000年の南北首脳会談だった。当時、金正日は平壌の順安空港に到着した金大中大統領を出迎えるために直接空港に来て、飛行機のすぐ前で手を取り合って、破格な第一歩を踏み出した。金大中がどれだけ感激したかよく分かるようだ。金正日は用意した行事を滞りなく消化して、臨機応変なユーモアまで見せた。彼の企画と演出の能力がどの程度なのか、よく見せてくれた首脳会談だった。

北朝鮮政府は金正日の統治スタイルを宣伝しながら、「広幅政治」と「人徳政治」を強調している。「広幅」は懐が大きくて大胆という意味で、「人徳」は善良でおおらかという意味だ。これは金正日が実際にそうだという話ではなく、そのような人物として宣伝しているということである。

例えば、平壌のャン区域のヨンモ洞にある「3大革命展示館」には、「朝鮮のない地球は必要ありません。金正日」という文句がある。これを見た青少年たちは、金正日は民族の指導者として懐や気質が大きな方だと思うようになるのだ。(つづく)