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人が顔を合わせれば政治、社会、経済への不満を語るのは北朝鮮とて同じ。市場、駅前、バスターミナルなど、人の集まるところならどこでも世間話に花が咲く。

しかし、北朝鮮当局は、世間話の内容が「度を超えている」と「世間話禁止令」を出したという。

当局は、人民班(町内会)の会議や工場企業所の講演会を通じて「無駄口を叩くな」「3人以上集まって座り込むな」という指示を下した。それも、世間話ができないように工場の休み時間を短くするほどの徹底ぶりだ。

デイリーNKの内部情報筋によると、北朝鮮庶民たちの間では次のような「世間話」が交わされている。

「一番苦かった90年代末と比べて何もよくなっていない」

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「あの頃と今を比べたところでどんぐりの背比べ」

「(金正恩氏に)最初は少し期待したが、公約ならぬ空約ばかりで何も解決していない」

老人たちは恐れるものがないのか、さらに舌鋒鋭い。

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「金正恩政権に入ってから続く日照りと食糧難は天罰だ」

「権力の座に座るべきではなかった人間(金正日氏、金正恩氏)が居座っている」

この程度なら、他の国では至って普通の床屋談義だが、北朝鮮では聞いた人の顔が青くなるほどの過激な内容だ。

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北朝鮮では、「最高尊厳」(金ファミリー)は神聖不可侵で、批判や非難などは御法度だ。失言が命にかかわることもある。しかし、金正恩氏に対しては、少し事情が違うようだ。

年も若く、不可解な指示を繰り返しており、北朝鮮の住民も呆れているのだ。日増しに拡散する金正恩氏への不満。北朝鮮当局は、体制への悪影響を恐れ、予防策として「世間話禁止令」を出したと見られる。