北朝鮮の最高人民会議は、日本の国会に相当する。現在の代議員の数は687人で、前回の選挙は2014年3月に行われた。任期は5年だが、選挙は必ずしも5年毎に行われるわけではなく、様々な事情で半年から数年遅れることが多い。そもそも北朝鮮の選挙は、事実上賛成票を投じるだけだ。

今年4月に開かれた最高人民会議13期3回会議の様子(画像:労働新聞キャプチャー)
今年4月に開かれた最高人民会議13期3回会議の様子(画像:労働新聞キャプチャー)

米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、中国で複数の北朝鮮住民に選挙事情についてインタビューを行っているが、それによると代議員になるためには、やはりそれなりの条件が必要だという。

ある平壌市民は「成分(身分)がよく、大卒で忠誠心が高くなければならないが、何よりも必要なことは国に対して大きな業績を残したということだ」と語った。

「大きな業績」とは、「職場や人民のための事業にどれだけ多くのカネを捧げたか」ということを意味する。

咸鏡南道(ハムギョンナムド)の住民は、「革命家族やパルチザンの子孫で、国に大きな貢献をした人」が、代議員選出の条件だと語った。

貢献の例として、この住民は「発電所建設にセメントを大量に寄贈する」「馬息嶺(マシンリョン)スキー場に大金を奉納する」などを挙げた。

さらに平安北道(ピョンアンブクト)と両江道(リャンガンド)の住民は、代議員になる資格として「労働党員で労力英雄」「家族に脱北者がいない」「党の高級幹部の覚えがいい」などの理由に加えて「ビニールハウスに使うビニールや肥料を大量に寄贈した人が有力候補になる」と答えた。

中国の情報筋によると、「北朝鮮では選挙運動がないため、その費用はかからない。しかし、結局は何らかの形で国にカネを出さなければならない」という。

北朝鮮では、代議員になっても、最高人民会議は頻繁に開かれるわけではなく、日常的な仕事は続ける。また、国から特典は与えられない。それでも代議員に与えられる権限は絶大だ。

「不正を行った人民軍の軍官(将校)に代議員証(代議員の身分証)を突きつけて、その場で階級章を剥ぎ取ってしまう。所属部隊に処罰を要求したり、中央に更迭を建議したりする権限も与えられている」(前述の情報筋)

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