爆薬を水中で爆発させ、衝撃波で気絶した魚が浮き上がってきたところを捕まえるのが「ダイナマイト漁」だ。この漁は環境破壊や資源枯渇などを引き起こすため、日本を含む多くの国で禁止されているが、フィリピンやタンザニアなどでは未だに広く行われ、北朝鮮でも手榴弾を使った漁が行われている。発電機を使って水中に電気を流し、魚を感電させる電気ショック漁も一般的だ。

元山港に停泊する万景峰号のそばで釣りに興じる人々(画像:Jen Morgan)
元山港に停泊する万景峰号のそばで釣りに興じる人々(画像:Jen Morgan)

黄海南道(ファンへナムド)のデイリーNK内部情報筋によると、海州(ヘジュ)市にある手榴弾工場の従業員たちは、性能テストを行うという名目で海で手榴弾を爆発させて魚を取っている。手榴弾を1個爆発させるだけで、数十キロの水揚げがあるという。

朝鮮人民軍の幹部たちも、太陽節(金日成氏の誕生日)などの休みの日に、川の真ん中で爆薬を爆発させて魚を取り、おいしいものだけ選んで刺し身にして食べているそうだ。

平安南道(ピョンアンナムド)の内部情報筋によると、北朝鮮でもダイナマイト漁や電気ショック漁は違法だ。道内の住民たちは、闇夜に乗じて海や池で電気ショック漁を行うが、保安員(警察)に見つかると一切合切没収されてしまう。

一方、普通の釣りを楽しむ人々も多い。合法的で手軽に楽しめ、レジャーと同時に生活の足しにもなるからだ。

庶民は竹の釣り竿を使って釣りをする。北朝鮮製の釣り竿なら市場の雑貨売り場で、1500北朝鮮ウォンから4000北朝鮮ウォン(約22円~60円)で買える。一方で釣り糸、釣り針、エサはすべて中国製だ。

エサは1箱1500北朝鮮ウォンで買えるが、ハエ、ミミズ、カエル、トウモロコシの粉を使うことが多いという。釣り上げた魚は市場で売ったり、酒の肴にする。

一方、幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)は、韓国製の釣り竿を使う。種類によって値段が異なるが、30ドルから高いものになると数百ドルになる。

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