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北朝鮮の朝鮮人民軍の将校や兵士が集団で脱走する事件が起こり、当局が困惑している。その背景を米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が内部情報筋からの情報を引用しながら詳しく報道した。

事件が起きたのは咸鏡北道(ハムギョンブクト)の七宝山(チルボサン)。古くからの名勝地として知られ国内外の観光客が訪れる一大観光地だ。

その七宝山自然公園の入口付近で7月10日頃、金日成氏、金正日氏のモザイク壁画の製作に動員されていた朝鮮人民軍工兵局第1旅団から除隊直後の軍人18人と指揮官1人が姿を消す事件が発生した。

彼らは、長い兵役を終えて除隊し、後は家に帰るのを待つだけだった。しかし、10月10日の労働党創立70周年に向けて、七宝山に金日成一族のモザイク壁画が製作されることになり動員された。

やっと除隊を迎えたと思ったら、軍役を勝手に延期され動員されたことに不満を抱いて集団脱走したと見られる。

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今回の集団脱走事件に北朝鮮当局はかなり動揺しているようだ。北朝鮮で最も重要視される金日成一族の銅像、壁画の制作現場から作業員が消えたことは責任問題となりかねないからだ。

朝鮮人民軍の査察期間である「総政治局(局長は黄炳瑞氏)」は、脱走除隊軍人の情報を各地域の人民軍警務局や保衛司令部に送り、逮捕命令を出した。また、当人たちの実家には捜査官が派遣された。もし逮捕されれば、厳罰は免れないだろう。

しかし、今回除隊軍人たちが脱走した理由は「壁画製作の動員」だけではなかった。

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両江道(リャンガンド)の軍事動員部(徴兵担当)の関係者は語る。

「中央は除隊命令を受けた工兵局の3000人を各地域を銅像や壁画の制作に動員し、作業が終了すれば、両江道の金亨稷(キムヒョンジク)郡にある金鉱に送り込む計画を立てていた。しかし、この情報が漏れて対象の軍人たちに伝わってしまった。長い兵役以上に、さらに辛い金鉱に送られることに反発したようだ」

金鉱は一般の職場より配給は優遇されるが、気候も労働条件も劣悪で、労災も多発している。さらに金亨稷郡は中朝国境に面しているが、鴨緑江の向かいの中国にあるのは田舎町なので、密輸などのウマミも少ない。

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こうした背景から、七宝山から逃亡した18人以外にも、多くの除隊軍人がこっそりと逃亡する事例が多発していると情報筋は付け加えた。

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