両江道(リャンガンド)の軍事動員部(徴兵担当)の関係者は語る。
「中央は除隊命令を受けた工兵局の3000人を各地域を銅像や壁画の制作に動員し、作業が終了すれば、両江道の金亨稷(キムヒョンジク)郡にある金鉱に送り込む計画を立てていた。しかし、この情報が漏れて対象の軍人たちに伝わってしまった。長い兵役以上に、さらに辛い金鉱に送られることに反発したようだ」
金鉱は一般の職場より配給は優遇されるが、気候も労働条件も劣悪で、労災も多発している。さらに金亨稷郡は中朝国境に面しているが、鴨緑江の向かいの中国にあるのは田舎町なので、密輸などのウマミも少ない。
こうした背景から、七宝山から逃亡した18人以外にも、多くの除隊軍人がこっそりと逃亡する事例が多発していると情報筋は付け加えた。