朝鮮中央通信は27日、金正恩第1書記が「偉大な祖国解放戦争(朝鮮戦争)勝利62周年に際して平安南道檜倉(フェチャン)郡にある中国人民志願軍烈士陵園に花輪を送った」と報じた。同陵園には、毛沢東元中国国家主席の長男・毛岸英氏をはじめ、朝鮮戦争で戦死した中国人将兵らが安置されている。

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2012年10月24日に行われた中国人民志願軍烈士陵園の竣工セレモニーで、毛岸英氏の胸像に献花する参加者ら/朝鮮中央通信

同陵園は2012年10月24日、従来の中国人民志願軍烈士墓から拡大される形で竣工。盛大なセレモニーの様子が、北朝鮮の官営メディアによって報じられた。2013年7月には、正恩氏が同陵園を直接訪れ献花している。

中国メディアが積極報道

しかしその後、正恩氏が中国との窓口になっていた張成沢(チャン・ソンテク)元国防委員会副委員長を処刑したことや、習近平国家主席が北朝鮮より先に韓国を訪問したことなどから中朝関係が悪化。正恩氏は昨年、同陵園に花輪を送ることさえしなかった。

それが今回、正恩氏が2年ぶりに花輪を送ったことが明らかになると、中国の官営メディアがこれを主要ニュースとして報道。中朝関係の「正常化」を思わせる空気がにわかに醸成されてきた。

習近平氏「経済協力のために重要」

韓国政府や主要メディアは上記の報道と合わせ、正恩氏が26日に開催された「第4回全国老兵大会」での祝賀演説で、中国人民志願軍に対し「崇高な敬意を表します」との発言を2回繰り返したことにも注目。聯合ニュースは「(北朝鮮が中国に)関係正常化に向けたシグナルを送っているように見える」とする政府関係者のコメントを紹介した。

同様の動きは、中国側にも見える。

習近平氏は7月16~18日、北朝鮮との国境に面した吉林省や延辺朝鮮族自治州を視察。中朝露の経済協力を念頭に進められてきた「長春ー吉林ー図們(豆満江流域)」の開発プロジェクトについて「東北アジアの経済協力のために極めて重要である」と発言した。

また、同氏は続けて27日にも、中朝国境地帯である遼寧省の省都・瀋陽を訪れ、この地域に対する関心の高さをアピールしている。

北朝鮮は10月10日の朝鮮労働党創建70周年に向けて弾道ミサイルの発射を準備中と伝えられるなど、中朝の関係改善のための環境が整うか未知数な部分も残るが、両国首脳が今後、現状打開に向け何らかの動きを見せる可能性もある。

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