冷戦時代に共産主義国だったチェコは北朝鮮と友好関係にあったが、民主化以降は北朝鮮に対して非常に批判的になっている。
チェコ外務省関係者は昨年10月のVOAとのインタビューで、北朝鮮の人権蹂躙の責任者を処罰すべきだと語っている。また、今年2月にはポーランドからチェコに異動したばかりの金平日北朝鮮大使に対して、「北朝鮮の許されざる人権状況の改善のために何かをすべき」だと伝えている。金平日氏は故金正日総書記の腹違いの弟だ。
金平日氏の駐チェコ大使の就任に前後して、プラハの旧共産党本部では金正日氏の写真展が開かれたが、世論の反発で金正日氏の写真はわずか2日で撤去される憂き目にあった。
1948年にソ連により共産主義国家にさせられたチェコスロバキアを始めとして、ポーランド、ハンガリー、バルト3国などの東欧の国々では共産主義に対する拒否感が非常に激しい。共産主義がどのようなものであるかを直接経験しているだけに、遠いアジアで起きていることもまったくの他人事とは考えていないのだ。