韓国の普通の人たちが制作したラジオ放送を聞く北朝鮮の住民はどのように考えるようになるのか。
「参加する放送」をモットーに05年から放送を送り始めた「開かれた北朝鮮放送」。ハン・カンヒ局長は韓国と北朝鮮の住民のコミュニケーションが最も重要になると強調した。
ハン局長は市民参加プロジェクトである「ラジオで南北が友人に」を通じて、韓国の人たちが北朝鮮の住民の実状や理解を基に話ができる空間を作っている。また、北朝鮮内部のニュースを伝える「開かれた北朝鮮通信」を通じて、韓国の人たちが北朝鮮について更に理解できるように活動している。
ハン局長は「北朝鮮の住民に対して『食べ物だけあげればいい』という対北政策を取るのはもうやめるべきだ。彼らも私たちと同じ人間だという認識があれば、『情報に対する権利』という側面にも関心を持つべきだ」と指摘した。
- 対北ラジオ放送が北朝鮮の住民を変化させていると思うか。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面過去にも対北放送や外国のラジオ放送を聞く北朝鮮の住民は思ったより多かった。しかし、北朝鮮の住民の立場から考えると、良い情報をありのまま受けとめるのに限界はあったと思う。また、金正日や北朝鮮の体制に関する内容ばかりだった。
数年前から民間の対北ラジオ放送が本格的に活動し始めたことで、北朝鮮の住民は韓国の実態と自分たちの生活を比べ始めた。DVD、外国のラジオ放送、MP3などを活用する住民が増え、外部の情報を求める声も大きくなった。
需要者である北朝鮮の住民の聴取率が増加し、供給者である対北ラジオ放送が増え、住民の意識のレベルにも大きな変化が現れていると思う。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面- 開かれた北朝鮮放送の最終的な目的は…。
韓国と北朝鮮の住民が自由にコミュニケーションすることだ。そのため、北朝鮮の住民が韓国の人たちの声を聞くだけではなく、韓国の人も北朝鮮の住民の生活を知ることができるように努力している。「開かれた北朝鮮通信」を通じて北朝鮮の内部事情をメディアに伝えている。もちろん、私たちのホームページでも見ることができる。
- 対北民間ラジオ放送の制作会社はみな、周波数の問題を指摘している。どういう対策が必要なのか。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面私たちが聞くラジオ周波数には中波、超短波、短波の3種類がある。超短波と中波は周波数を変更する必要がない。対北民間ラジオ製作会社の多くが短波で番組を送出しているが、最もデメリットと言えることは季節により受信率が大幅に変わることだ。
また、民間の短波放送は国際機高ゥら周波数を割り当てられる。そのため、頻繁に周波数が変更される。この2つのことで安定した番組送出がなかなかできない状態だ。
北朝鮮を基準に考えて遠くまで送出する場合、季節の変化に敏感になる必要があるため、1年に2〜4回は必ず周波数を変えなければならない。2〜3ヶ月過ぎると受信率が急激に落ちる。もし中国や韓国から送出することができれば、周波数を変えなくても済む。現在、北朝鮮の聴取者から最も求められているのも固定した周波数だ。
対北民間放送が送出する電波の多くは受信状態が悪い。北朝鮮の受信状態を毎日チェックして周波数を頻繁に変えている。また、周波数を獲得するために情報の把握や空いた周波数を調べることも大きな仕事だ。
対北民間ラジオが根付くためには固定周波数をもらう必要がある。番組制作能力は3〜4年で非常に成長したが、北朝鮮の受信率はあまりよくなっていない。
代案として考えられるのは、韓国政府が独占している周波数の一部を民間に移譲することだ。韓国政府が直接北朝鮮の住民向けのラジオ放送に参加するのではなければ、思いきって民間に渡すべきだ。
- 対北ラジオ放送は南北にとってどういう意味を持つのか。
水族館の魚は水族館を海だと思っている。北朝鮮の住民は自分たちがさらされている状況を考えず、食べて生きることだけを考え、必死になっているのを韓国の人は気の毒に思うべきだ。
外部の世界に対する知識があまりない状況で、外部の世界の現実や文化に接するとひどく苦しむことになる。対北ラジオ放送を通じて、その苦しみを軽くすることができるのではないかと考えている。韓国の人々が北朝鮮の住民の生活をどれだけ心配して辛く思っているのか伝えることができれば、未来に訪れる南北統一の過程にもよい影響を与えることができるだろう。
開かれた北朝鮮放送の番組のエンディングはいつも、「お体に気をつけて生活してください」で締めくくっている。独裁と経済難に苦しんでいる北朝鮮の住民が元気に耐えつづけ、外部の世界と自由にコミュニケーションがとれるチャンスが訪れることを願っている。彼らに夢や希望を伝えることが私たちの仕事だ。