北朝鮮の今年の予算が34億5000万ドルになると推算されている。これは北朝鮮の貨幤に換算すると、およそ4千826億ウォンである。(ただし、北朝鮮の貨幤の価値は北朝鮮の公式の為替と市場の為替(4月現在1ドル=3600ウォン)の差が大きいという点に留意する必要がある)
北朝鮮のキム・ワンス財政相は、9日に開かれた第12期最高人民会議第1次会議で、「今年の予算の収入計画が去年の予算の収入決算の金額よりも5.2%増額された」と明らかにした。北朝鮮の去年の予算が4千515億ウォンと推定されていたため、今年の予算規模も推算することができる。
キム財政相は2008年の予算決算と今年の予算計画を報告し、具体的な金額については言及しないまま今年の予算の収入計画は去年より5.2%、支出計画は7%増えることになるとだけ明らかにした。
北朝鮮は今年の国防予算に、去年と同様総予算の15.8%を策定した。北朝鮮の貨幤で762億5000万ウォン(5億4500万ドル)にのぼると推算される。北朝鮮の2008年度の国防費は、全体の支出額4千511億ウォンの15.8%に相当する713億ウォン(5億4000万ドル)だったと韓国の統一部は明らかにした。
キム財政相は税源について、中国の企業所のように、国家の企業利得金の収入を5.8%増やして編成し、協同団体の利得金の収入は3.1%、固定財産の減価償却金の収入は6.1%、不動産使用料の収入は3.6%、社会保険料の収入は1.6%増やしたと伝えた。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面支出計画は去年と比べて都市経営部門の支出を11.5%に大幅に増額し、「人民経済の先行部門(金属、石炭、鉄道運輸など)」を8.7%、教育部門8.2%、保健部門及び科学技術部門各8%、農業部門6.9%、体育部門5.8%、軽工業部門5.6%、文化芸術部門3.2%と増額した。
部門別の投資計画を去年と比べると、去年の年初には「人民経済の先行部門」に対する支出を前年対比およそ49.8%増やすと明らかにしていたが、今年は8.7%増額することになり、金額が大幅に減った。
また、科学技術部門では前年より2%増やす増額計画を明らかにし、農業部門に対する支出は去年は5.5%増額すると計画したが、今年は6.9%増額することになり多少増加した。去年は、当初は増額計画を明らかにしなかった軽工業部門の支出も5.6%増やすと発表した。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面特に、これまで明らかにしていなかった都市経営部門に対する支出を、最も高い数値である11.5%に増額すると発表した。
これは内閣の傘下に首都建設事業部を新たに新設し、既に進めている平壌市の装飾や整備事業を推進するためと思われる。サムャ東o済研究所のドン・ヨンスン経済安保チーム長は「デイリーNK」との通話で、「平壌市と関連する建設の方に投資されると思われる」と予想した。
このように北朝鮮政府は去年よりも予算の規模を増やしたが、輸入や輸出などの統計に基づいた科学的な算出方法で出したものではなさそうだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面キム財政相も「今年の予算編成は、経済強国建設と人民の生活の向上、国防力の強化に必要な資金の需要を円満に保障するように、収入の源泉を最大限探し出し、非生産的な支出を極力減らす原則に基づき、現実的に動員する形で行われた」とだけ説明している。
特に、2012年の強盛大国建設を目標に、新年の社説でも「新しい革命的大高潮」を強調しているが、最近南北関係が梗塞し、核やミサイルなどによって孤立する中、「自力更正」、「青山里精神」などを強調しているのを見ると、住民たちの労働力を極大化して収入にあてるという計画であると解釈される。
ドン・ヨンスン経済安保チーム長も、「予算の収入計画に特別な変化は見られない」と言い、「収入の源泉を探して支出を減らすというのは、非効率性を最大限減らして住民たちの労働力を最大限絞り取るということに過ぎない」と語った。
更に、「最近北朝鮮が『青山里精神』などを強調していることから見られるように、住民たちの労働力を最大限増やして、国家の企業などの生産力を極大化するということ」と付け足した。