北朝鮮の金正恩氏が現地指導に訪れ「偉大なる将軍様(金正日氏)の業績を食いつぶしている」などと激怒した「大同江スッポン養殖工場」。その支配人が銃殺されていたことが明らかになった。
平壌のデイリーNK内部情報筋によると、金正恩氏は、スッポンにエサがきちんと与えられておらず、水槽にも水がきちんと供給されていなかったため、多くのスッポンの子どもが死んだことで激怒し、支配人を銃殺にしたという。
正恩氏の現地指導でバレ、見せしめに処刑
しかし、水槽に水が供給されていなかったのは支配人の責任ではなく、電力をまともに供給できない発電体制に原因がある。「それなのに支配人が銃殺されたのは、幹部たちの『ごますり忠誠競争』のせいだ」と情報筋は指摘した。
今回の件は、金正恩氏への忠誠心を示して自分だけは生き残ろうとしたスッポン工場の別の幹部が、すべての責任を支配人になすりつけたために起きたというのだ。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面また、スッポン工場の労働者の間では「大きく育ったスッポンではなく、生まれたてのスッポンのいた水槽で起きた事故だったので、うまくまるめこむこともできたはずだが、金正恩氏の現地指導の過程でバレたので、見せしめに処刑されたようだ」との話が出回っているという。
(【動画】金正恩氏がスッポン工場で「激怒」)
別の情報筋によると、住民たちの間では「原因は停電なのに支配人は気の毒に殺されてしまった」「スッポン工場の支配人が発電所を持っているわけでもないのに」「スッポンのせいで人が死んだ」などと当局のやり方に対する非難めいた話が出回っている。
さらには「国が滅びる兆しだ」との言葉までが交わされているという。